研究課題/領域番号 |
20K01210
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鈴木 建治 北海道大学, 文学研究院, 共同研究員 (00580929)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | アイヌ・コレクション / 博物館 / 北海道 / 在ロシア博物館 / サンクト・ペテルブルグ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、海外のアイヌ・コレクションの形成過程を解明すべく、ロシア連邦の博物館に所蔵されているアイヌ民具に焦点を当て、その収集者(個人あるいは組織)のアイヌ民具をめぐる一連の動き(収集経緯)を検討する。研究方法は、民具資料と文献資料を駆使し、①収蔵登録当時の資料目録調査と民具資料の実見による目録との照合調査、②アイヌ・コレクション収集者が集めたすべての資料のリスト化作業、③収集者自身が記録した文献資料調査を実施する。日本国内資料を中心に構築されたアイヌ研究からの脱却を目指し、アイヌ居住地の隣国としてのロシアからみたアイヌ研究の構築を新たに提示する。
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研究実績の概要 |
令和4年度は、コロナ禍が世界的に収束にむかい人の移動制限が少なくなってはきたが、ロシアではウクライナ問題が浮上し、新型コロナウィルスとは別の理由で渡航が不可能になってしまった。よって令和3年度に引き続き、ロシアの博物館等の資料調査は実施できなかった。本年度は、ロシア調査の代替として、日本国内の博物館等の施設に焦点を当て、アイヌ・コレクションの形成過程を進めることにした。 (1)石巻市博物館所蔵のアイヌ・コレクション(北海道外所蔵の民具資料)の調査 石巻市博物館には、在野のコレクターである毛利総七郎が戦前に収集した、700点以上にも及ぶアイヌ資料の一大コレクションが収蔵されている。本年度は、儀礼刀や宝刀を中心に調査を行った。また毛利コレクションの中には、アイヌ研究者でも知られている杉山寿栄男が毛利宛に書いた書簡類も存在することが判明した。今まで毛利コレクションのバックデータはほぼ存在しないと考えられていたが、この書簡により収集した経緯等が明らかになることが期待できる。今後、当該博物館の研究者と共に分析を進めていく予定である。 (2)室蘭市民俗資料館のアイヌ・コレクション(北海道内所蔵の民具資料)の調査 室蘭市内で収集した可能性が高いコレクションの調査を行った。今回の調査により所蔵資料の全体像を把握することができた。特に、台帳の基本テータや館所蔵の関連する新聞記事、郷土史の会誌等を調べ、アイヌ資料のバックデータの収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響だけでなく、ロシアにおけるウクライナ問題も生じたため、ロシアの博物館等における資料調査を実施することができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策については、ロシアのウクライナ問題により、ロシアでの資料調査の実施が見通せない現在、代替案として日本国内にあるアイヌ・コレクションの調査と、既に調査済みのロシア側のアイヌ・コレクション関連データの分析を実施する。
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