研究課題/領域番号 |
20K01212
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
宮内 貴久 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (10327231)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 高度経済成長期 / ニュータウン / 市営団地 / 分譲住宅 / 再開発 / 移住 / 団地 / 葬儀社 / 高度経済成長 / 生活史 / 家族史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1965年に福岡市南部に開発された、福岡市最大のニュータウンである弥永団地をフィールドとし、高度経済成長期からの団地の生活史を明らかにすることを目的とする。同団地は住民の移動性が高い市営住宅と、移動性が低い分譲住宅の二つの異なる住宅から構成された。団地居住者に対する聞き取り調査、参与観察、アンケート調査などにより、住民の家族史を描いていく。そこから住み続けた理由と住まい方、再開発に対する意識を明らかにする。さらに、約8割の転出者についても同じ調査方法で、移住した時期・理由、移住先での生活など家族史を描いていく。そして、両者の視点から、ニュータウンは持続可能な住環境なのか検証していく。
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研究成果の概要 |
市営弥永団地の間取りはDK6畳(4畳半)と4畳半、水洗トイレ、浴室という2DKの間取りで、食事をする部屋と寝室を別室にする食寝分離、夫婦とその子供の寝室を別室にする就寝分離がコンセプトで建てられた。弥永団地には例外的に3DKが3棟あるが、1969年から建設された城浜団地、1971年から建設された西区の下山門団地では3DKが主流であり、住宅政策の変更が明らかとなった。 弥永団地の分譲住宅は500戸建設された。増改築が行われ、建築当初の住宅は数軒しかない。分譲住宅は約7割の住民は継続して居住しているのに対して、宅地分譲は約2割であること、高齢化率は44.3%と春日市で最も高いことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
弥永団地は1965年に公営住宅と分譲住宅の二つの異なるタイプの住宅が計画されたニュータウンである。前者は福岡市域に低所得者向きの五階建て2DKの賃貸住宅が一区~四区まで47棟・1,514戸建設された。後者は春日市域に分譲住宅240戸・宅地分譲地260戸が建設された。ブルーカラー住民の流動性が高い賃貸市営住宅と、ホワイトカラー住民の流動性が低い持ち家という異なる性格を持つニュータウンの生活史を明らかにしたことに学術的意義がある。
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