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セクシュアル・マイノリティとしてのファットと言語実践についての人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K01225
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分04030:文化人類学および民俗学関連
研究機関明治大学

研究代表者

碇 陽子  明治大学, 政治経済学部, 専任講師 (10791866)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
キーワードクィア・ファット / ファット・アクティビズム / フェミニズム / ジュディ・フリースピリット / インターセクショナリティ / クィア / ファット / 言語
研究開始時の研究の概要

本研究では、ファットと性的アイデンティティの関係を見るために、クィア・ファットやレズビアン・ファットと名乗る人たちの言葉に注目し、以下二つの調査を行う。①レズビアン・ファット、クィアといったアイデンティティの表現がどういう時に使われ、どのような主体概念やセクシュアリティを表すのか、②アイデンティティや主体に注目するのではなく、出来事や行為に沿って契機する、複数の主体の概念や時間の概念とはいかなるものかを、人類学的調査から明らかにする。特に②の分析において、性に関する現象に性的アイデンティティの表現だけでなく、欲望や抑圧、快楽、恐怖などの言葉もデータに含める。

研究実績の概要

2023年度は、主に以下の二つについて研究を進めた。①クィア・ファット、クィア・ファット・フェム、レズビアン・ファットなどに関するファット・スタディーズの研究論文やブログなどを整理した。具体的には、クィアであることと女性であること、それらと太っていることの関係、クィア・フェムにとっての太っていることの効果などについてである。②また、言葉と知覚や感覚との関わりについて理解を進めた。具体的には、フェミニスト人類学者であるアネマリー・モルのEating in Theoryの翻訳に携わった。知覚や感覚は、科学的な言語で一般化された形で理解されている(特に、味や匂いなどの感覚は、視覚や聴覚よりも下位の感覚だと理解されてきた)。しかし、モルは、味覚に関連する用語の使い方が(例えば、日本語の「おいしい」など)、それぞれの現場によって異なるのであれば、その使い方を生み出す知覚や感覚のあり方もまた異なるのではないかと論じている。感覚についての言語実践を見ていくことで、異なる知覚や感覚の仕方を明らかにできるということは、今後、本調査をまとめるときに大きな意味を持つのではないかと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年度、2021年度は新型コロナ感染症の拡大により、予定していた出張ができず資料収集や現地調査が全くできていなかったため。2023年度及び、次年度は、その遅れた分を取り戻しつつ、研究成果をまとめることを目的としたい。

今後の研究の推進方策

最終年度である2024年度は、引き続き、既存の研究論文の整理と、資料分析を通して、クィア・ファットやクィア・ファット・フェムなどによって使用される言葉に着目し、かれらにとってファットや女とはどのような概念なのかを明らかにする。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 2021

すべて 雑誌論文 (5件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] リスクから不確実性へ:不確実性の人類学に向けて2024

    • 著者名/発表者名
      碇陽子
    • 雑誌名

      政経論叢

      巻: 92 ページ: 1-26

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] アメリカのファット・アクティビズム:肥満問題と体型の多様性2023

    • 著者名/発表者名
      碇陽子
    • 雑誌名

      季刊民族学

      巻: 184 ページ: 36-43

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「新鮮な果物と野菜」で肥満問題は解決できるか:食と健康をめぐる知識のポリティクス2023

    • 著者名/発表者名
      碇陽子
    • 雑誌名

      現代思想

      巻: 51(7)

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「肥満の流行」とメタファーとしての「進化」2021

    • 著者名/発表者名
      碇陽子
    • 雑誌名

      現代思想

      巻: 49-12 ページ: 81-89

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 書評:『肥満男子の身体表象: アウグスティヌスからベーブ・ルースまで』2021

    • 著者名/発表者名
      碇陽子
    • 雑誌名

      図書新聞

      巻: 3487

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 別様の可能性を語ること:「ファット」から考える「コロナ」禍の私たち2021

    • 著者名/発表者名
      碇陽子
    • 学会等名
      立命館大学大学院先端総合学術研究科パートナーシップ委員会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] 食べる:理論のためのレッスン2024

    • 著者名/発表者名
      アネマリー・モル著、田口陽子・浜田明範・碇陽子翻訳
    • 総ページ数
      335
    • 出版者
      水声社
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 観光人類学のフィールドワーク:ツーリズム現場の質的調査入門2021

    • 著者名/発表者名
      市野澤潤平、碇陽子、東賢太朗
    • 総ページ数
      295
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 世界の食文化百科事典2021

    • 著者名/発表者名
      碇陽子
    • 総ページ数
      716
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      9784621305935
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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