研究課題/領域番号 |
20K01230
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 東京大学 (2022-2023) 関西大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
浜田 明範 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (30707253)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 集金 / 集団 / パーティー / 徒弟制 / 儀礼 / 部分的つながり / 経済人類学 / ガーナ / 貨幣 / 冠婚葬祭 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、経済的なやり取りについての経済人類学の先行研究を踏まえ、近年、ガーナ南部で大規模に行われるようになっている婚姻や徒弟制の免許皆伝の際に行われる貨幣を集める集金パーティーの特徴を明らかにすることを目的とする。この目的を達成するために、ガーナ南部や隣接地域における現地調査を実施する。特に、集金パーティーにおける具体的な実践がどのような集団をどのように立ちあげているのかを、やり取りとそれに付随するモラリティの特徴、貢献の曖昧化と明確化、複数の集団のあいだの関係に注目しながら明らかにしていく。
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研究実績の概要 |
2023年度は、これまでに実施してきたガーナ南部における集金実践の経済的な側面と美的な側面についての研究を統合するための理論的な検討に力を入れた。 西アフリカや東アフリカにおけるアソシエーションや社会運動に関する民族誌についての文献研究を実施することで、政治経済的・社会生物的な構造のなかで人びとが体験している貧困や闘病生活という極めて現代的なセッティングにおいて、貨幣とそれを集める必要性がいかに人間のあり方を一定の方向に導いていくのかについて理解を深めた。これらの状況と並べてみると、本研究において焦点を当てているガーナ南部の集金活動はよりローカルな場面において、ひとりの人間が同時に複数の集団に属しながら、それぞれの集団に貢献し、また、集団から支援されるという錯綜した関係にあることがわかった。 同時に、当該地域における集金実践がとくに生老病死や冠婚葬祭に関連していることに改めて注目することにより、貨幣を単純に自己増殖する資本として捉えるだけでなく、それがいいかに当該地域で暮らす人びとの人生と生命にも変換されているのかについて検討する必要が明らかになった。 また、これらの検討を通じて得られた知見をまとめるための民族誌の執筆活動を行った。この作業の成果は本年度中にまとめることができなかったが、2024年度中に発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19のパンデミックや、研究対象地域であるガーナ共和国のデフォルトの影響を受けて現地調査を実施できていないために、全体的な研究の進捗に遅れが出ている。この問題を克服するために、過去に収集したデータの分析や隣接地域における先行研究の文献研究へと方針を切り替えたが、当初予定していた研究期間内に遅れを取り戻すことができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
経済人類学の文献研究を継続しながら、ガーナ南部における集金実践についての民族誌的な記述を積み上げ、成果論稿を発表する。
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