研究課題/領域番号 |
20K01232
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 関西外国語大学 |
研究代表者 |
加藤 隆浩 関西外国語大学, 国際文化研究所, 研究員 (50185849)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アンデス / 海 / 儀礼 / 漁民 / 漁労 / 交易 / 海の文化 / 海民 / 交換 / 山間地域 / セルバ / アンデス諸国 / 山の文化 / 招来儀礼 / 航海 |
研究開始時の研究の概要 |
この研究は、アンデス山脈の高文明の繁栄に太平洋沿岸の海洋文化がどのように寄与し、それが現在どのような形で残存しているかの実態を解き明かするものである。この研究のきっかけは、アンデス民族学画像コレクションの整理に携わった時、山岳地方で海岸地方の品々や宗教儀礼にしばしば遭遇したからである。そこで実際に調べてみると、アンデス高地と呼ばれる山間地なのに海の要素が数多く検出でき、いくつかの文化要素は、山の文化の基層の重要な要素にもなっているように見える。これまで、アンデス文化は、主として山脈を見て研究されることが多かったが、この研究では、海の文化に注目し、海の側から山の文化を見てみようという趣向である。
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研究成果の概要 |
この研究の究極の目的は、アンデス山脈の高文明の繁栄に太平洋沿岸の海洋文化がどのように寄与し、それが現在どのような形で残存しているかの実態を解き明かするものであった。この研究のきっかけは、これまでの現地調査や民族画像の整理のなかで、山岳地方に海岸地方の品々や宗教儀礼などが見られたことである。そこでこの研究で現地調査をしてみると、アンデス高地と呼ばれる山間地なのに海の要素が検出でき、いくつかの文化要素は、山の文化の基層の重要な要素にもなっていることが分かってきた。この研究により、海の側から山の文化を見る眼差しの重要性が分かってきた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、アンデス文化を専ら灌漑農耕文化に還元してきた従来の文化形成論を刷新し、これまで関心の薄かった太平洋沿岸の葦舟海民に注目し、アンデス文化をより広い脈絡の中で考察することで、海民が山岳地域に与えた影響を検証することにある。具体的には、海民による海上の長距離交易、アンデス内陸部への食糧供給、巡礼時の物々交換、農耕儀礼と招漁儀礼の並行関係などに着目し、山間民族による統治ゆえに過小評価されてきた海民の経済・宗教的潜在力を明らかにするとともに、アンデスの山間部の「海の文化」の変遷のメカニズムを解明する。
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