研究課題/領域番号 |
20K01255
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福井 康太 大阪大学, 大学院法学研究科, 教授 (00302282)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 専門士業 / 価格競争 / 質的競争 / 聞き取り調査 / アンケート調査 / 士業専門職 / 競争 / 協力 / マーケット / 棲み分け / サービス競争 / 優位性 / 弁護士 / 共生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、司法制度改革後急増した弁護士および他の士業専門職との間におけるサービス競争の実態について、実証的かつ理論的に解明することを目的とする。1年目に、士業専門職のリピートユーザーである企業を対象とするアンケート調査を実施し、2年目に、アンケート回答企業および士業専門職に対する聞き取り調査を実施し、3年目に、実証的データをたたき台とした理論的検討を行う。以上の実証的理論的検討を通じて、本研究では、弁護士をはじめとする各士業専門職のあり方やその養成に関する問題提起を行い、さらに、士業専門職のサービス市場に関する国際比較研究へと研究成果を発展させる。
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研究実績の概要 |
2022年度は、体調を崩し、2度も入院するなどして、予定されていた聞き取り調査やアンケート調査の実施には至らなかった。実際に行えたことは、数名の実務家にオンラインでインフォーマルな聞き取りを行っただけだった。 そのインフォーマルな聞き取りで分かったことは、コロナウイルス感染問題発生以降、リーガルテック(電子的な法律文書作成サービス)やICT(情報技術)の活用が急速に拡大し、専門士業間の競争のあり方も大きく変化しつつあるということであった。聞き取り調査およびアンケート調査の実施に当たっては、このような変化を考慮に入れた質問票・調査票の作成など、行うべき調査作業が変わってきていることが分かった。例えば、契約書の形式的なチェックなどは電子的技術の活用でかなり正確性が高まっており、弁護士だけが高度な法的知識を独占できるような状況は崩れ始めている。従来の専門士業の棲み分けを前提とした質問票・調査票では現状の把握は難しいと言わざるを得ない。2023年度に最初に行うべき作業はこのような変化に対応した質問票・調査票の作成ということになる。 この変化を考慮に入れた調査を実施することができれば、司法制度改革が行われた20年ほど前の状況とは大きく異なる専門士業の実態、特に士業間の競争の変化について重要な知見が得られると考えられる。 2022年度に実際にできたことはごくわずかであったが、調査計画を時代の変化に合わせることを検討する時間を得ることができたことは幸いであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度は、体調不良で2度も入院するなど、大変な1年であった。研究作業の実施はままならず、オンラインによるインフォーマルな聞き取りを数名の実務家を対象に行うことしかできなかった。コロナ禍による社会の大きな変化、それが専門士業に及ぼした影響をどのように調査に反映させるか、悩んでいたこともある。聞き取り調査の質問票、アンケート調査の調査票の構成は当初の予定とかなりことなるものになる。以上のような理由で、研究作業が遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度には、リーガルテックやICTの活用が急速に進み、士業間の競争の力関係がどのように変化したかを含めた聞き取り調査とアンケート調査を実施する。すでに研究期間を延長しているので、分析も同時並行で行う。かなり大変な作業になるが、研究協力者の数を増やすなどして対応する。
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