研究課題/領域番号 |
20K01258
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
今野 元 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (60444949)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 大串兎代夫 / 小野清一郎 / 矢部貞治 / 日本法理研究会 / カール・シュミット / オットー・ケルロイター / 東京帝国大学 / 法学部 / 安井郁 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究「法学上の日独同盟:「日本法理」のドイツ的基盤」は、昭和前期(1926年-1955年)において、日本法学界が総力戦体制への対応の一環として、主体的な「日本的」法学樹立という課題にどう立ち向かい、そこにドイツの影響がどのように作用したのかを探求する。中心的な分析対象は、公法学者大串兎代夫、刑法学者小野清一郎らの「日本法理研究会」、大串から刺激を受けてナチス法学を日本に紹介した矢部貞治である。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、令和4年9月13日にミュンヒェンの現代史研究所で行った講演 Der Gastaufenthalt Otto Koellreutters in Tokio (1938/39). Eine Facette der Rezeption der nationalsozialistischen Staatslehre in Japan を、加筆修正の上でドイツ語論文としてドイツの学術雑誌に提出し、査読を経て刊行することに大きな時間を割いた。この論文は、令和5年4月に法制史研究の学術雑誌 Zeitschrift der Savigny-Stiftung fuer Rechtsgeschichte (Germanische Abteilung) に投稿され、夏に採用通知を得、令和6年1月に校正を終えた。この論文の刊行予定は、令和6年夏である。加えて、令和5年9月には『上杉愼吉:国家は最高の道徳なり』(ミネルヴァ書房日本評伝選)を刊行することができた。同書は、上杉の後続世代である大串兎代夫、小野清一郎の研究成果を含んでいる。同書は各所から反応を得たが、なかでも戦時法研究会では、令和6年3月9日に書評会を開催して頂き、森元拓氏、坂井大輔氏、その他の参加者各位から貴重な意見を頂いて、今後の研究への大きな弾みとなった。最終年度である令和6年度は、後述のイエナ講演を成功させると同時に、愛知学院大学所蔵の小野清一郎文庫を活用して、小野清一郎の「日本法理」論の研究が進展するよう努めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既に見たように、令和5年度は、Zeitschrift der Savigny-Stiftung への掲載を実現し、『上杉愼吉』を刊行した。加えて、大串兎代夫に焦点を絞った講演 Jena als Begegnungsort deutscher und japanischer Rechtswissenschaften:Toyowo Ogushis Vision eines japanischen Totalstaates deutscher Faerbung を、令和6年8月7日にイエナ大学法学部で行う予定を設定した。このように、このテーマでの研究の深化と国内・国外での発表は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である令和6年度には、愛知学院大学所蔵の小野清一郎文庫を徹底して読み解くことを最大の課題とする。この小野文庫は、晩年に愛知学院大学法学部の創設に従事した小野の蔵書・文書などを含んでおり、非常に充実したものである。この課題に対処するために、令和6年1月に新居を同大学の近所に構え、集中した作業に備えている。偶然にも愛知学院大学には、またカール・シュミットの蔵書も所蔵されていることから、この書籍も利用することができる。更に7月から9月までは、フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト賞受賞者への招待として、イエナ大学法学部に客員研究員として招かれているため、大串兎代夫、オットー・ケルロイター関係の研究が更に深まることが期待されている。
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