研究課題/領域番号 |
20K01260
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
岩瀬 真央美 兵庫県立大学, 国際商経学部, 教授 (20360331)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ベトナム法 / 持続可能な開発目標(SDGs) / 紛争処理制度 / 司法・正義へのアクセス / 法の支配 / 投資家と国家との間の紛争解決(ISDS) / 法整備 / 投資法 / 国内投資法 |
研究開始時の研究の概要 |
国連の持続可能な開発目標(SDGs)の目標に挙げられている法の支配による司法・正義へのアクセスは、持続可能な経済活動を推進する鍵でもある。ベトナムでは、ドイモイ政策を推進する中で紛争処理制度が整備されてきたが、依然として不備が指摘されている。投資家と国家との間の紛争解決(ISDS)に関してベトナム政府は、国内法と国際法の両面から整備・構築を進めているが、過渡的な状況にある。本研究では、司法・正義へのアクセスの観点に立ち、ベトナムのISDS制度について国内法と国際法の両方から相互横断的に分析し、SDGsの達成の観点から、ベトナム社会・国際社会の現状を踏まえたベトナムの紛争処理制度を模索する。
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研究実績の概要 |
本研究では、現代の国際社会の課題であるSDGsの達成の観点から、国内法と国際法との垣根を超えた相互横断的な研究を通じて、ベトナムのISDS制度に関する理論および実行を分析して、紛争処理制度の構築の方向性を模索することを目的として、以下の3つの課題を設定している。 課題1:ベトナムにおける「法の支配」の発展過程と「司法・正義へのアクセス」の現状を検証して、その意義を明らかにする。 課題2:ISDS制度の発展・現状を整理・分析し、制度構築のあり方を理論面と実証面から検討して、ベトナムにおける国内法・国際法の形成の試みを明らかにする。 課題3:ベトナム社会・国際社会の現状を踏まえて、「法の支配」による「司法・正義へのアクセス」の実現に向けたISDS制度に関する新たな理論・法制度の可能性と限界を検討し、ベトナムにおける紛争処理制度の構築の方向性を模索する。 令和4年度には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による渡航制限が緩和されたが、ベトナム現地での調査(資料収集、インタビュー、意見交換)を再開・実施するための準備を進める十分な時間を確保することができなかった。そのため令和4年度についても、令和2年度及び令和3年度と同様に、引き続きインターネットを主体とする文献調査を実施した。国際機関(UNDP)、ベトナム共産党やベトナム政府機関が公開している各種資料・情報を収集して、SDGs、「法の支配」、「司法・正義へのアクセス」に関して、ベトナム社会における各々の位置付けと意義について、経済活動と紛争処理制度に焦点を当てて分析した。研究代表者が参加する研究会において分析結果について報告を行い、これを踏まえた論文を執筆する準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究実績の概要で述べたように、COVID-19のために、ベトナム国内での調査を実施することができなかった。そのため、日本国内で実施可能なインターネット上で公開されている各種資料・情報を中心とする文献調査を行い、その分析を行なった。「法の支配」や「司法・正義へのアクセス」の現状について検討するために、特に経済活動ともなう紛争処理制度に焦点を当てて、研究を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度では、海外渡航の実施を前提として、研究を進める予定である。過去3年間に実施したインターネットを主体とする文献調査の分析結果を踏まえて、ベトナムでの現地調査を行い課題1・課題2の2つの課題に取り組む。合わせて、状況の変化による現地調査の実施計画の見直しに対応するために、日本国内で実施できるインターネットを主体とする文献調査についても継続して実施し、研究計画の変更に備える。
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