研究課題/領域番号 |
20K01270
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 東北公益文科大学 (2022) 山梨大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
森元 拓 東北公益文科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50374179)
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研究分担者 |
石塚 迅 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (00434233)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 法実証主義 / 国体 / 立憲主義 / 上杉慎吉 / 法の継受 / 穂積八束 / 法思想 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「国体」の法理論上の意義について考える。「国体」は過去の遺物として等閑視されてきた。しかし、日本が立憲主義思想を継受する際に、継受の段階に応じて「国体」は一定の理論的役割を果してきた。このような認識のもと、国体概念を俎上にのせ、その意義を考察するのが本研究である。具体的には、「国体」は、立憲主義思想が日本や中国に継受される際に果した役割について検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は、「国体」(国体なるもの)の意義と役割について考えることを目的としている。「国体」は過去の遺物として等閑視されてきた。しかし、日本が西洋の立憲主義思想を継受する際に、継受の段階に応じて「国体」は一定の理論的役割を果してきた。このような認識のもと、立憲主義思想の日本への継受における「国体」の意義と役割を明らかにするとともに、異文化への法の継受のプロセスを分析する。 本年度は、研究責任者の森元は、日本法哲学会WSにおいて、戦前日本の法実証主義について報告を行った。本報告をまとめたものが、森元拓「大日本帝国憲法体制における反法実証主義――若き美濃部達吉の「挑戦」と二つの論争」『法の理論』41号、2023年、117-137頁である。 また、研究分担者の石塚は、石塚迅「第Ⅰ部第4章:法律―中国が目指す「法治」―」(川島真編『ようこそ中華世界へ』(昭和堂、2022年)87-105頁、石塚迅「中国における緊急事態と憲法・憲法学」(全国憲法研究会編『憲法問題33』(日本評論社、2022年)所収)34-45頁、石塚迅「立憲主義を選びなおす」『季報・唯物論研究』第161号、2022年、2-5頁を公表した。 上記の研究業績の検討のための研究会を酒田及び札幌で開催し、本研究の研究代表者及び研究分担者の他にも様々な分野の研究者(憲法学、日本史学、法哲学等)の参加を得て、広汎な意見交換及び研究交流をおこなった。このことは、直接に目には見える成果とはなっていないが、本研究の貴重な成果の一つとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、「国体」(国体なるもの)の意義と役割について考えることを目的としている。昨年度は、戦前日本の国家体制と現在の中国の国家体制の比較を念頭に研究を進めてきた。その成果として、研究代表者及び研究分担者の業績をあげることができる。これらの研究により、一定程度の進展は見られたものの、国体なるものの意義や役割を総括的に把握するには至っておらず、研究期間4年間の3年目としては「やや遅れている」と判断せざるをえない。
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今後の研究の推進方策 |
本研究を「やや遅れている」と評価したが、これは、新型コロナウイルス感染症による学内業務の増大、また研究交流の減少等に起因するものと思われる。新型コロナウイルスによる影響は、徐々に軽減されつつあるものの、未だに全てが「旧に復する」状態とはなっていない。 なお、研究代表者は、本年度に日本法哲学会研究大会において日本への法の継受について報告予定であり、ここで国体の意義と役割について研究成果を報告する予定である。本報告を契機として、研究の進展に期したい。
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