研究課題/領域番号 |
20K01281
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
植松 健一 立命館大学, 法学部, 教授 (90359878)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 議会内反対派の憲法論 / 政党分極化 / 議会内反対派の地位と権能 / 議員・議院の質問権 / 憲法典における議会内反対派条項 / ヴァーチャル議会の可能性と限界 / 議決定足数の憲法上の意義 / 議員懲罰の法理 / 議会内反対派(議会内野党) / 憲法上の反対派条項 / コロナ危機下の議会 / ドイツ連邦議会の議事手続 / コロナ危機下の議会(とくにヴァーチャル議会) / 議員懲罰への司法審査 / 議会内反対派の憲法典化 / 国務大臣の出席義務 / コロナ危機と議会 / ドイツ憲法 / 議会制民主主義 / 議会内野党の権利 / 政党の多極化 |
研究開始時の研究の概要 |
多くの立憲民主制の国で確認できる「議会の多党化・多極化」現象を踏まえ、議会内野党(parlamentarische Opposition)の憲法上の再構成を探る。そのためにドイツ連邦共和国における議会運用と学説・判例を主要な考察の対象とする。ドイツの憲法学においては、議会での多党化・多極化の進行と「大連立与党」の長期化という2つの現象を前に、「実効的な議会内野党」の規範論上・制度論上の保障を問う研究が散見される。これらの議論から示唆を得つつ、憲法規範論としての「実効的な議会内野党」の可能性と問題点を明らかにする。また、「実効的な議会内野党」を日本国憲法下で語る可能性と課題も検討する。
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研究成果の概要 |
ドイツ連邦共和国における議会内反対派(議会内野党)に関する憲法制度と憲法学説を参考にしながら、議会内反対派の憲法規範論的な定位の可能性を考察した。 そのための手法として、ドイツにおける①議員の対政府質問権、②議事・議決定足数、③議員懲罰手続、④議長の議事堂管理権といった議会の議事運営に関する憲法上の制度・権能に関する理論と運用を検討し、日本の理論と実務への一定の示唆を得た(2020~21年度)。さらに、法理および憲法制度としての議会内反対派のありようを、とくにドイツの州憲法における反対派条項を軸として考察し、議会内反対派を憲法規範として把握することの意義と課題を明らかにした(2022年度)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
議会内野党(議会内反対派)の存在意義や役割を論じる政治学上の分析は多いが、憲法学からの研究は、日本では必ずしも十分ではない。これに対しドイツ連邦共和国は、かかる課題に応答しうる理論研究や憲法判例の豊富な蓄積を有しており、これらを把握することは日本での「憲法論としての議会内反対派」研究に有用な視座をもたらす。同時に、これまで法的観点からの考察の少なかった日本の議会運営(とくに議会内組織編制や議事手続)のあり方への示唆も持っている。ここに本研究の学術的・社会的な意義がある。とくに本研究では、ドイツ各州の憲法状況に着目することで、日本におけるドイツ憲法研究の視野を開拓するものとなっている。
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