研究課題/領域番号 |
20K01285
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
林 晃大 近畿大学, 法学部, 教授 (80548800)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 行政法 / 環境法 / イギリス / 歴史的建造物 / 公法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、歴史的建造物の保護に関する国及び地方自治体の政策のあり方や根拠となる法制度のあり方について、法律学の観点から検討することで、歴史的建造物保護に関する法理論の再構築を行おうとするものである。本研究では、歴史的建造物を強制力のある指定制度の下で積極的に保護しているイギリスの保護制度について、その仕組みや裁判例の分析を通じた「理論的研究」とインタビューや現地調査を通じた「実証的研究」によりその法理論的基礎を解明し、わが国に対する法政策上の示唆を得ることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、歴史的建造物の保護に関する国及び地方自治体の政策のあり方や根拠となる法制度あり方について、法律学、特に行政法及び環境法の観点から理論的・実証的に検討することにより、歴史的建造物保護に関する法理論の再構築を行おうとするものであり、歴史的建造物保護先進国であるイギリスとの比較を踏まえながら、わが国の法制度のあり方に関する提言を行うことを目的とするものである。 「研究実施計画」においては、研究の最終年度である2022年度に、2020年度及び2021年度に行っていたはずであった日本における歴史的建造物保護に関する問題点の抽出と、イギリスにおける歴史的建造物保護の現状を実証的に研究を受け、わが国の法制度のあり方に関する提言を行う予定であった。 しかしながら、前者については、新型コロナウィルスの拡大とそれによる現地調査の自粛により地方自治体へのインタビューや現地調査などの実証的研究がかなわず、また、後者についても、イギリスにおける地方自治体へのインタビューや現地調査がかなわなかったことから、予定していた研究を当初予定の3年間のうちに実現することはできなかった。 その後、1年間の期間延長を行ったものの、2023年度もイギリス現地調査を実施することはできなかった。 他方で、イギリスにおける歴史的建造物保護にまつわる法制度とそれらに基づく保護手法について、また、権利利益を侵害された私人による行政訴訟の判例については文献研究の手法による分析を行っている。 いまだに実現していない国内及びイギリスでの現地調査については、2024年度に実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
「研究実施計画」では、日英における歴史的建造物保護のための法理論的基礎の解明を文献を通じた理論的研究、そして現地調査を含めた実証的研究を通じて行う予定であった。 実証的研究の手法としては、日本の地方自治体へのインタビューや現地調査およびイギリス現地調査を行う予定であったが、2020年度から2022年度まで新型コロナウイルス感染症の拡大により実施することができなかった。 当初予定されていた研究期間では研究が完遂しなかったため、1年間の期間延長を申請したものの、研究代表者の体調不良による海外渡航への不安から現地調査実現に至らなかった。 文献研究については、概ね予定通りの進捗となっていたものの、2023年度末になって本研究の遂行に重要な影響を与えることが予想されるイギリス歴史的建造物保護についての体系書が発刊されたことにより、さらなる文献研究が必要となった。 これらの理由から、当初の予定よりも進捗は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者の体調が回復傾向にあることから、2024年度はこれまでの4年間に実施することができなかったイギリス現地調査を行う予定である。文献研究については、2023年に新たに刊行された体系書の分析を行いながら、これまでに引き続き、イギリスにおける歴史的建造物保護にまつわる法制度について、法理論的基礎の解明を行う予定である。 2024年度中に現地調査を完遂することができれば、ここまで行ってきた文献研究とあわせて2025年度中には研究成果として纏める予定である。
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