研究課題/領域番号 |
20K01291
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
長内 祐樹 金沢大学, 法学系, 教授 (00579617)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | イギリス行政法 / 行政訴訟 / Cart事件型司法審査 / 取消判決 / 違法な行政決定の効果 / 取消しうべき瑕疵 / 無効の瑕疵 / イギリス公法 / 行政救済法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、イギリスにおける近時の「行政的正義」改革による「比例的紛争解決(Proportionate Dispute Resolution : PDR)」というコンセプトの導入、及び行政審判所の司法的性格の強化という状況下における、司法裁判所の行政紛争において担うべき今日的役割について、特に、①事実事項に関する審査の可能性、及び②司法審査請求が可能となる今日的条件の有無及びその妥当性の二点に主眼を置いて研究を進め、その今日的価値の再定位を図ることを目的とした研究である。
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研究成果の概要 |
本研究は、「2021年司法審査及び裁判所法」に基づく①取消判決の効果の制限、②Cart事件 型司法審査の廃止の分析を中心に行政紛争における司法裁判所の存在意義に関する研究を進めてきた。 まず①については、従来から存在する行政活動の違法性とその効力論に終止符を打つものではなく、救済付与に関する司法裁量と法の支配との関係の矛盾点を解消するに至るものでもない。②については、Cart事件型司法審査を明示的に否定するもの(司法審査排除条項)であるが、要件審理の段階で、既にかなり高いハードルが存在する司法審査請求について、さらなる要件を加重することは、私人の権利救済及び公法の発展を阻害する可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、近年の行政審判所改革を前提とした場合に、伝統的な司法救済制度としての司法審査請求が、行政紛争においてどのような位置づけと役割が配分されるのかという課題を検討するものである。こうした検討は、行政紛争に関わる救済手法が多様化する今日、いわゆるフォーマルな救済制度である行政訴訟が有する実際的な価値、並びに行政法学上の理論的価値の変容の一端をとらえようとするものである。 こうした視点は、行政不服審査法の改正、公的オンブズマン制度など、行政訴訟以外の救済制度が整備されつつある日本における、今後の行政救済制度全体の相互関係をどのようにとらえるべきかという点に関する先行研究として価値がある。
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