研究課題/領域番号 |
20K01297
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
大日方 信春 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(法), 教授 (40325139)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 表現の自由 / 著作権 / 海賊版サイト・ブロッキング / 通信の秘密 / 海賊版サイト / ブロッキング / 著作者の権利 / サイトブロッキング / プライバシー / 海賊版サイトブロッキング / 海賊版 |
研究開始時の研究の概要 |
政府は、近時、インターネット上の「海賊版サイト」対策として「ブロッキング」(ISPによるアクセス遮断措置)の導入を検討している。しかし、海賊版ブロッキングには、①サイト特定が検閲に該当する、②サイト運営者の表現の自由を侵害する、③ネット利用者の通信の秘密を侵害する、などを理由に、憲法学説では違憲論が根強い。 本研究は、諸外国の憲法理論を参照しつつ①②を検討したあと、インターネット時代の「通信の秘密」概念を明らかにすることで、海賊版ブロッキングが必ずしも憲法に反するものではないことを示すものである。
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研究成果の概要 |
近時、いわゆる海賊版サイトが多大な経済的損失を与えていることが問題になっている。政府は、この事態に対処するため海賊版サイトへのアクセスについて、一定の要件の下でインターネット・サーヴィス・プロバイダが遮断措置(ブロッキング)を講じることが適当であると提言したことがある(2018年4月)。ところが、この提言には、憲法上の問題があるとの批判を受けることになった。 本研究は、海賊版対策としてのサイト・ブロッキングの憲法上の問題を検討したものである。その結果、同措置は、① 海賊版サイト運営者の表現の自由を侵害しない、② 利用者の知る自由も侵害しない、③ 通信の秘密も侵害しない、これらの結論を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、インターネット上の海賊版対策としてサイトブロッキングを実施するとした場合の憲法上の問題を検討している。その結果、① 海賊版表現の自由という権利は観念できないこと、② 違法表現を見る(知る)自由も存在しないこと、③ アクセス先の機械的検知は著作権者の権利を保護する場合には許されることがること、④ ISPへの負担もプラットフォーマーの責任として正当化し得るものであること、これらを明らかにしている。 こうした研究成果は、サイトブロック違憲論が強い学界の風潮を批判すると学術的意義と同政策を実施したとしても憲法上の問題はないことを明らかにしたという社会的意義がある。
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