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反致論の継続の背景と近時の反致へのニーズに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K01308
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分05030:国際法学関連
研究機関南山大学 (2023)
富山大学 (2020-2022)

研究代表者

岩本 学  南山大学, 法学部, 教授 (70552511)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード反致 / 外国判決の承認 / 国際私法
研究開始時の研究の概要

本研究は,いわゆる反致論が諸外国において19世紀後半以降連綿と議論され続けてきた背景を探りつつ,近時みられる反致へのニーズの高まりについて,欧州各国法,米国法,及びEU法を中心に分析するものである。この分析を通じて,現在の国際私法体系と反致は相容れない,という通説的見解を批判的視点で検証し,反致論について議論が停滞状態といえるわが国の国際私法学に,新たな視座を提供することを目指す。

研究実績の概要

過年度に続き,各国法及び超国家的法規の反致規定の情報収集を行った。そして今年度は,米国につき近時の反致論の展開,特に1990年のKramer論文の登場のインパクトを探るほか,2005年に反致を認めた判例として認識されているNeilson判決を中心にオーストラリアにおける反致論の展開を調査した。なお,その過程で,反致についての検証方法として数学的手法やゲーム理論を用いた論考を精読し,新たな分析の視座について示唆を得た。また国内法関係では,ここ数年反致が関連する裁判例が継続的に公表されていることに鑑み,これらの裁判をベースに,通則法における選択的連結と反致の問題,外国国際私法規定が一義的に日本法を指定しない場合の反致の成否,隠れた反致,について,通則法の解釈論の検討を行った。
成果報告としては,昨年の実績概要で言及した国際私法学会での報告原稿をベースとした論文を公表した。研究報告としては,単純反致同様に法廷地法の適用を導く手法を用いた裁判例について,「外国人と日本人の離婚裁判と年金分割の請求」(渉外判例研究会,2023年10月)との報告を行い,また家事事件において反致が生じる場合の前提問題の検討の一環として研究報告「家事事件手続法3条の8と子の国外転居」(北陸国際関係私法研究会,2024年2月)も行った。これらの報告をベースとした原稿は前者については,既にジュリスト誌に公表されており,後者については今年度内での執筆・公表を予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Covid-19の影響で昨年度まで研究計画に遅れが生じていたこと及び所属大学の変更が年度途中にあったことに伴う研究環境の再構築の必要性から,最終的には基金課題の延長申請を行ったため。

今後の研究の推進方策

本来4年目に予定していたEU国際私法の展開について,各EU規則の制定過程及びEU規則化されていないが議論がなされた事項を検討の後,本研究の目的に沿って順次成果報告を進める。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (34件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (17件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (17件)

  • [雑誌論文] 外国人と日本人の離婚裁判と年金分割2024

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 雑誌名

      ジュリスト

      巻: 1593 ページ: 119-122

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 国際代理懐胎と親子関係の承認2023

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 雑誌名

      国際私法年報

      巻: 25 ページ: 101-129

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] EUにおける流通市場での投資損害と国際裁判管轄2023

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 雑誌名

      国際商事法務

      巻: 51(2) ページ: 200-204

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] International Recovery of Maintenance in Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Manabu Iwamoto
    • 雑誌名

      Japanese Yearbook of International Law

      巻: 65 ページ: 247-269

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 管轄違いの抗弁撤回後の本案主張に基づき国際裁判管轄を認めた事例2023

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 雑誌名

      ジュリスト

      巻: 1582 ページ: 125-128

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 不動産の使用収益に関する相続と準拠法2022

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 雑誌名

      ジュリスト(令和3年重要判例解説)

      巻: 1570 ページ: 270-271

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 外国団体訴訟において判決の名宛人となっていない訴訟関与者の内国での再訴の可否について~McGougan and Dingle v DePuy International Ltd の検討~2022

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 雑誌名

      国際商事法務

      巻: 50(10) ページ: 1315-1319

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 日本人とニュージーランド国籍を有する者による夫婦共同での普通養子縁組2022

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 雑誌名

      戸籍時報

      巻: 833 ページ: 39-45

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] The Commonwealth と外国判決承認執行モデル法2022

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 雑誌名

      国際取引法学会

      巻: 7 ページ: 161-175

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] カジノでの遊興を目的とする資金貸付けを巡る香港高等法院での欠席判決と民訴法118条の公序2022

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 雑誌名

      ジュリスト

      巻: 1569 ページ: 142-145

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 外国での共同親権を日本でも有効としつつその変更を認めた事例2021

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 雑誌名

      ジュリスト

      巻: 1561 ページ: 130-133

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 旧法例下における分娩による法的母子関係の成立と経過措置規定2021

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 雑誌名

      新・判例解説Watch速報判例解説

      巻: 29 ページ: 325-328

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 生殖補助医療と親子関係2021

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 雑誌名

      道垣内正人・中西康編『国際私法判例百選 第3版』

      巻: 別冊ジュリスト256 ページ: 116-117

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 医療器具の欠陥に起因する国際製造物責任訴訟における英国裁判所の2つの先決事項裁判2021

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 雑誌名

      国際商事法務

      巻: 49 ページ: 1135-1139

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] EU離脱後の英国における不法行為準拠法選択ルール2021

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 雑誌名

      富大経済論集

      巻: 67(2) ページ: 147-168

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 通則法28条の適用の結果として嫡出推定が重複した際の処理方法を示した事例2020

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 雑誌名

      ジュリスト

      巻: 1551 ページ: 127-130

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 血統の混乱(turbatio sanguinis)の回避を巡る近時の展開と国際私法2020

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 雑誌名

      富山大学紀要.富大経済論集

      巻: 66 号: 1・2・3 ページ: 1-40

    • DOI

      10.15099/00020544

    • NAID

      120006949429

    • URL

      https://toyama.repo.nii.ac.jp/records/18108

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 家事事件手続法3条の8と子の国外転居2024

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 学会等名
      北陸国際関係私法研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] EU法及びドイツ法における国際的な倒産開始申立ての競合2023

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 学会等名
      国際取引法学会中間報告会(令和5年度)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 外国人と日本人の離婚裁判と年金分割2023

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 学会等名
      渉外判例研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 管轄違いの抗弁の撤回から当該抗弁の再主張までの間になされた本案主張と国際的応訴管轄2023

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 学会等名
      渉外判例研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 流通市場での情報開示責任と国際裁判管轄 ー欧州司法裁判所2021年5月21日先決裁定を素材にー2022

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 学会等名
      国際取引法学会中間報告会(令和4年)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 国際代理懐胎と親子関係の承認(シンポジウム:外国裁判の承認執行をめぐる諸問題)2022

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 学会等名
      国際私法学会(第135回大会)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 日本人の依頼親によるウクライナでの代理懐胎2022

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 学会等名
      北陸国際関係私法研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 日本人とニュージーランド国籍を有する者による夫婦共同での普通養子縁組2022

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 学会等名
      渉外家事判例研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 岩本学氏(富山大学) 「不動産の使用収益に関する相続と準拠法」2022

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 学会等名
      北陸国際関係私法研究会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] カジノでの遊興を目的とする資金貸付けを巡る香港高等法院での欠席判決と民訴法118条の公序2022

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 学会等名
      渉外判例研究会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 2018 年シンガポール調停条約と日本の対応2022

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 学会等名
      銘傳大學追求高教卓越國際學術研討會:2022永續與創新法學學術研討會
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 共同親権を認める外国裁判とわが国での単独親権への変更2021

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 学会等名
      渉外判例研究会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 反致論における『総括指定』について2021

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 学会等名
      北陸国際関係私法研究会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] Depuy社を被告とする製造物責任訴訟にみる国際民事紛争処理法上の諸問題ー英国およびニュージーランドでの判決の検討を中心にー2021

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 学会等名
      国際取引法学会中間報告会(令和3年)
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] renvoiを巡る近時の法状況とわが国法の立脚点2021

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 学会等名
      関西国際私法研究会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 通則法28条の適用の結果として嫡出推定が重複した際の処理方法を示した事例2020

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 学会等名
      渉外判例研究会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 平成28年民法改正及び近時の嫡出推定規定改正の動きと国際私法2020

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 学会等名
      北陸国際関係私法研究会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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