研究課題/領域番号 |
20K01309
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05030:国際法学関連
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
稲角 光恵 金沢大学, 法学系, 教授 (60313623)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 国際刑事裁判 / 国際刑事法 / アジア / アフリカ / ハイブリッド法廷 / 国際犯罪 / アフリカ国際刑事裁判所 / レバノン特別法廷 / 欠席裁判 |
研究開始時の研究の概要 |
アジアとアフリカ諸国は、自国内で犯された国際法上の犯罪について、国際社会や外国の介入を受けつつ国際刑事裁判を実施し、カンボジア国際法廷など国際的性質と国内的性質を併せ持つハイブリッド法廷を設立し裁判を行う実行を積み上げてきた。さらに既存の国際刑事裁判所(ICC)の制度を排した独自の国際刑事裁判システムの構築(アフリカ国際刑事裁判所構想)に乗り出すなど、アジア・アフリカ諸国は国際刑事裁判制度の設計にも自らが積極的に関わる姿勢を見せている。本研究ではアジアとアフリカ地域のハイブリッド法廷の実態と成果を明らかにしつつ、途上国が求める国際刑事裁判秩序を明らかにし、国際刑事法の将来について考察する。
|
研究成果の概要 |
国際刑事裁判制度を理論体系化し、国内裁判所と国際刑事裁判所の二元構造と単純化する理解が誤りであると指摘し、刑事裁判機関の数の増加と多様化と多元化の現象を明らかにしつつアジアとアフリカ諸国が求める国際刑事裁判制度像を明らかにした。刑事裁判機関の増加と多様化の現実を踏まえ,国内的要素と国際的要素が混合されたハイブリッド法廷や地域的国際機関による刑事裁判管轄権をアジアとアフリカ諸国が求める傾向を分析し指摘した。アジアとアフリカから地域的要素を反映させた裁判機関が提言されているが、国際法上の犯罪の処罰の徹底及び法の支配並びに人権の尊重といった人類的課題を考慮に入れて慎重に考える必要性がある。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国際刑事裁判制度を体系化し、国内裁判所と国際刑事裁判所の二元構造と単純化する理解とは異なる説を提示した。刑事裁判機関の数の増加と多様化と多元化の現象の中で、特にアジアとアフリカ諸国が求める国際刑事裁判制度像からはグローバルサウスの社会的意向がうかがえる。国内的要素と国際的要素が混合されたハイブリッド法廷や地域的国際機関による刑事裁判管轄権をアジアとアフリカ諸国が求める傾向の背景を指摘するとともに、アフリカ諸国が提唱したアフリカ国際刑事裁判所構想がアジアや他の地域に示す示唆をアフリカの研究者と英語共著として発表した。国際刑事法の理論分析にグローバルサウスの視点からの補完を行うことができた。
|