研究課題/領域番号 |
20K01317
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05030:国際法学関連
|
研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
佐藤 哲夫 広島市立大学, 付置研究所, 特任教授 (10170763)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 非国家アクター / 国際組織 / 民間団体 / 多国籍企業 / 反政府武装集団 / 犯罪集団 / NGO / アカウンタビリティ / 国際公益機関 / 人権 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、普遍的国際組織・条約レジームやNGO などの非国家アクターを取り上げて、それらが国際公益機関としての権限や機能を担い、それらの活動が「統治的規制的な権限・機能の行使」に踏み込む場合に、当該活動を規律する(すべき)手続的および実体的な原則と規則およびそれらの実施の仕組みを解明することを目的とする。 具体的には、新たな実行や理論的検討および先行研究の研究成果を基礎として、アカウンタビリティ・人権遵守の動きを分析する。その際に、公権力としての「統治的規制的な機能・権限の行使」に着目して、それらを規律する原則と実施の仕組みの形成状況とそれに伴う規範意識の形成過程を解明する。
|
研究実績の概要 |
本研究は、普遍的国際組織・条約レジームやNGOなどの非国家アクターを取り上げて、それらが国際公益機関としての権限や機能を担い、それらの活動が「統治的規制的な権限・ 機能の行使」に踏み込む場合に、当該活動を規律する(すべき)手続的および実体的な原則と規則およびそれらの実施の仕組みを解明することを目的とする。 第1の課題は国際組織の「公的」制度・組織への変革の動きを対象としており、2020年度と2021年度に検討する予定であったが、重要な記念論文集への原稿依頼を受けたこともあり、2022年度に検討予定であった第2の課題の検討を、当該原稿の主題として2020年度の検討対象とすることに変更した。具体的には、国際法秩序における非国家アクターの地位と活動に対する法的規制の動きであり、当該成果は、次の通り。佐藤哲夫「グローバル化する国際社会における国際法秩序と非国家アクター――国際法協会での取組経験を主な素材として――」(岩沢雄司・岡野正敬編集代表『国際関係と法の支配 小和田恆国際司法裁判所裁判官退任記念』信山社、2021年7月18日)779-815頁(ISBN:978-4-7972-5600-0) 2021年度においては、国際組織の「公的」制度・組織への変革の動きを対象とした第1の課題に取り組むことに重点を置いた。具体的には、新たな実行として、国内裁判所・EU裁判所・欧州人権裁判所などの判例と国際組織の動きなど、理論的検討として、国際法委員会(ILC)の活動やグローバル行政法などの新たな動きなどについて、最近の変革の動きを押さえることであり、関係文献の点検を進めた。 2022年度においても、同様に関係文献の点検を進めた。第1の課題は当初より、2年間を掛けて検討する予定であった課題であり、「現在までの進捗状況」に説明する理由により、遅れているが、予定通りに取り組んではいる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
「研究実績の概要」に記したように、第2の課題を2020年度の検討対象とした。 2021年度および2022年度においては、国際組織の「公的」制度・組織への変革の動きを対象とした第1の課題に取り組むことに重点を置いた。具体的には、新たな実行として、国内裁判所・EU裁判所・欧州人権裁判所などの判例と国際組織の動きなど、理論的検討として、国際法委員会(ILC)の活動やグローバル行政法などの新たな動きなどについて、最近の変革の動きを押さえることであり、関係文献の点検を進めた。 他方で、2021年度においては、第1に本務校(広島平和研究所)での共同研究(「アジアの平和とガバナンス」)、第2に2022年2月末からのロシアによるウクライナ侵攻に対する本務校の対応として開催された緊急の研究フォーラムの用意に、かなりの時間を投入することを余儀なくされた。 2022年度においても、第1に本務校(広島平和研究所)での共同研究(「アジアの平和とガバナンス」)が継続されたほか、第2に2022年2月末からのロシアによるウクライナ侵攻に対する本務校の対応として、新たに共同研究が発足し、これら2件の共同研究への注力が求められた。この成果としては、次の通り。佐藤哲夫(2022年)「国際法から見たロシアによるウクライナ侵攻――市民向けの国際法入門」広島市立大学広島平和研究所編『広島から戦争と平和を考える』(広島平和研究所ブックレット第8巻)125-155頁 このような事情のために、研究時間のかなりを2件の共同研究に投入することとなり、結果として、第1の課題については関係文献の点検をある程度進めたとはいえ、研究成果に直接につながるような段階には至っていない。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度においては、国際組織の「公的」制度・組織への変革の動きを対象とした第1の課題に継続的に取り組む予定である。具体的には、新たな実行として、国内裁判所・EU裁判所・欧州人権裁判所などの判例と国際組織の動きなど、理論的検討として、国際法委員会(ILC)の活動やグローバル行政法などの新たな動きなどについて、最近の変革の動きを押さえることである。 もっとも、「現在までの進捗状況」に説明した本務校(広島平和研究所)での2件の共同研究(第1に「アジアの平和とガバナンス」、第2に「ウクライナへの軍事侵攻と国際社会への影響」)については、2本の論文執筆の必要があるために、研究時間のかなりをこれらに投入することになろう。 これらの共同研究が論文執筆で一段落することを優先せざるを得ないという事情を踏まえると、第1の課題についての関係文献の点検を進めるとともに、本来は本年度が最終年度となる予定であるが、研究年度を1年間延長することも検討する必要があると思われる。
|