研究課題/領域番号 |
20K01331
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05040:社会法学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
細谷 越史 香川大学, 法学部, 教授 (60368389)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 労働者の損害賠償責任 / 解雇 / 勤務成績不良 / デジタル化 / 日独比較 / 能力不足 / 病気 / 損害賠償責任 / 第4次産業革命 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、デジタル化が労働環境に与える影響を考察し、労働法は従来の法的明確性の低い総合判断を克服し、具体的な原理・原則に基づく明確なルールをいかに確立しうるかをドイツ法との比較から解明することを目的として、まず、労働者の使用者に対する損害賠償責任のより明確な制限基準を、経営リスクの分配原則や生存権保障等から解明する。また、IT技術を用いた就労や教育訓練の可能性等の拡大を考慮し、能力不足や病気による解雇の規制を、比例原則及び予測原則等に依拠して再構築する。さらに近年契約上職種等が限定され、職場復帰以外の手段も重要視される状況下で、能力不足等による変更解約告知と解雇の金銭解決の規制手法を解明する。
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研究実績の概要 |
本年度における研究実績としては以下のものを公表することができた。論文として、細谷越史「ドイツにおける勤務成績不良・能力不足に関する解雇制限法理の紹介と検討(3・完)」香川法学42巻3・4号421頁~472頁、細谷越史「ドイツにおける勤務成績不良・能力不足に関する解雇制限法理の紹介と検討(2)」香川法学42巻2号141頁~183頁、細谷越史「ドイツにおける勤務成績不良・能力不足に関する解雇制限法理の紹介と検討(1)」香川法学42巻1号1頁~46頁を、共著として細谷越史「労働基準法16条、17条、18条」荒木尚志・岩村正彦・村中孝史・山川隆一編『注釈労働基準法・労働契約法 第1巻』(有斐閣、2023年5月刊行予定、頁数は未確定)を、招待講演として、細谷越史”Sanktionen wegen Pflichtverletzungen von Arbeitnehmern an einem Wendepunkt in Japan(転換期にある労働者の義務違反をめぐる日本のサンクション規制について)”「日本、ドイツそしてEUにおける労働法の現在」と題する独日労働法協会及びテイラーウェッシング法律事務所による共同シンポジウム、デュッセルドルフ、書評として、細谷越史「山本陽大著『第4次産業革命と労働法政策―労働4.0をめぐるドイツ法の動向からみた日本法の課題―」日本労働研究雑誌751号182頁~184頁、翻訳として、細谷越史「ローパフォーマーの(適切な)処遇について――労務給付の低下を理由とする解雇および労働者の能力に適合した就労を請求する権利――」香川法学42巻1号49頁~62頁を発表する機会を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで労働世界や働き方のデジタル化を背景として労働法分野においてどのような課題が新たに生じうるかを考慮しながら、特に労働者の損害賠償責任制限法理および勤務成績不良等を理由とする解雇法理を中心に日本とドイツの比較法研究を国内外で進めたうえで、その内容を共著、論文にくわえて国際的なシンポジウムでの研究発表、翻訳、書評等の形で公表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、本研究の重要課題の一つである労働者の勤務成績不良等を理由とする解雇の法理を集大成するべく、日本労働法学会第140回大会(2023年10月)において「ドイツにおける勤務成績不良・能力不足に関する解雇法理の紹介と検討」と題する研究発表を行い、そこでの議論や質疑等をふまえて研究内容を整理・要約したうえで、研究論文を日本労働法学会誌137号(2024年刊行予定)に発表する。これに加えて、次年度は、これまでの日独の解雇法理の研究をベースとしながら、これまで十分に取り組むことのできなかった類型として病気・障害等を理由とする解雇法理等の研究に重心を移し発展させ、その内容をまとめて紀要等に公表するよう試みる。
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