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「就業者包摂モデル」の労働法規範体系を構想する-フランス法に示唆を求めて

研究課題

研究課題/領域番号 20K01333
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分05040:社会法学関連
研究機関九州大学

研究代表者

野田 進  九州大学, 法学研究院, 特任研究員 (90144419)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード就業者包摂モデル / フランス / 労働者性 / フリーランス / 社会的対話 / 企業交渉 / プラットフォーム / 自営的就業者 / フランス労働法 / 労働契約 / 社会的対社会的対話 / フリーランフリーランス / プラットフォーム就業者 / フランチャイズ契約 / 団体交渉 / 労働者 / 就業者 / 包摂モデル / 規範体系
研究開始時の研究の概要

研究の前半の活動として、約1年半をかけて、フランス労働法の概説書を、「就業者包摂モデル」という観点から執筆する。その情報の正確な把握のためには、限られた文献情報だけでは不十分であることから、現地調査を踏まえた研究手法は不可欠である。なお、そのための一定の調査手法やノウハウは、これまでの活動の中で確保している。
研究の後半では、かかるフランス法のモデルを前提に、日本法の法理への具体化を試みる。そのための論考を執筆し、日本法としての体系的構築を試みる。

研究実績の概要

本研究は、近年の多様化した就業形態、特にデジタル機器を駆使した自営的就業やフリーランスの就業形態が世界規模で拡大する今日、労働法がこれらの就業形態を包摂する法体系に組み替えることを、「就業者包摂(convergence)モデル」と称して、規範構築を試みることを目的としている。
2022年度には、本研究課題をふまえて2020年度より進めてきた、フランス労働法の全体像に関する研究書の書き下ろしの執筆をほぼ完成し、『フランス労働法概説』(信山社、2022年12月)として刊行した。同書では、本研究課題と直接に関係する部分として、「第Ⅱ編労働契約」の中の「第2節労働契約の意義」の項目において、労働契約における従属的関係論を論じている。そこでは、フランスにおける労働者性の相対的理解を基礎に、「労働法適用アプローチ」という法理が定着して、労働者性の有無について厳格に判断することなく、劇団員、家事使用人、代理外商人、フランチャイジー、プラットフォーム就業者、労働者協同組合の出資就業者といった人々について、労働法の部分的適用を認める法制があり、その具体的な法理の実状を、判例動向もふまえて紹介した。
本研究課題については、当初の3年間の研究期間を終了していたが、コロナ禍による行動規制により、外国出張による研究等を実施することができず、2023年度に期間の延長を認められたことから、研究成果の確認および更なる問題発見のために、残された予算で外国出張等を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

一応の研究成果を確認する目的で、フランスおよびイギリスにおいてインタビュー調査および資料収集を行った。炉諭告における問題の現状と今後の変化の傾向を知る上で、有益な調査となった。

今後の研究の推進方策

本研究は一応の成果を上げているが、研究期間の終了後も、なお同テーマを継続して調査研究する予定である。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (19件)

すべて 2023 2022 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (12件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件) 図書 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 労働契約法における日本とフランスの交差2023

    • 著者名/発表者名
      野田進
    • 雑誌名

      季刊労働法

      巻: 281号 ページ: 99-114

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 育児休業等の期間中および復帰後の人事措置と「不利益な取扱い」2023

    • 著者名/発表者名
      野田進
    • 雑誌名

      季刊労働法

      巻: 282号 ページ: 179-189

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「不利益な取扱い」と構造的不平等2023

    • 著者名/発表者名
      野田進
    • 雑誌名

      労働法律旬報

      巻: 2041号 ページ: 4-5

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] コロナ禍のもとでの女性労働者をめぐる雇用上の課題2022

    • 著者名/発表者名
      野田進
    • 雑誌名

      月刊労委労協

      巻: 786号 ページ: 2-25

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「労働組合システム」の停滞にどう向き合うのか2022

    • 著者名/発表者名
      野田進
    • 雑誌名

      労働法律旬報

      巻: 1999・2000合併号 ページ: 101-108

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] フランスにおける男女間の職業的平等法制の構造と展開2021

    • 著者名/発表者名
      野田進
    • 雑誌名

      季刊労働法

      巻: 273号 ページ: 103-119

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] フリーランスの集団的交渉-『労働者性』要件を不要とする考え方の提案2021

    • 著者名/発表者名
      野田進
    • 雑誌名

      労働法律旬報

      巻: 1998 ページ: 34-45

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] コロナ禍のもとでの雇用調整-整理解雇法理から人員整理法理へ2021

    • 著者名/発表者名
      野田進
    • 雑誌名

      月刊労委労協

      巻: 274 ページ: 2-24

    • NAID

      40022565483

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] コロナ禍に試される労働契約法-労働契約法の身体性と状況対応的特性2020

    • 著者名/発表者名
      野田進
    • 雑誌名

      季刊労働法

      巻: 271号 ページ: 2-16

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 賃金債権等の消滅時効をめぐる考察-労基法の民法からの『自律性』再考2020

    • 著者名/発表者名
      野田進
    • 雑誌名

      労働法律旬報

      巻: 1969号 ページ: 36-45

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] アカデミック・ハラスメントの法理・序説-教育研究ハラスメントを中心に2020

    • 著者名/発表者名
      野田進
    • 雑誌名

      季刊労働法

      巻: 269号 ページ: 130-149

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 『均衡処遇』の両義性2020

    • 著者名/発表者名
      野田進
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 92巻13号 ページ: 4-6

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 日本の労働法研究における比較法と日仏比較法研究2023

    • 著者名/発表者名
      野田進
    • 学会等名
      日仏研究集会『日仏社会法における比較法・国際比較のメソッド』
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 労働協約の地域的拡張適用制度-意義と実践的・理論的課題2022

    • 著者名/発表者名
      野田進
    • 学会等名
      日本労働法学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 「日本の労働審判の制度と課題(フランスとの比較で)」2022

    • 著者名/発表者名
      野田進
    • 学会等名
      日仏会館・フランス国立日本研究所主催『労働法分野における「司法化」の性格と発展』
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [図書] フランス労働法概説2022

    • 著者名/発表者名
      野田進
    • 総ページ数
      620
    • 出版者
      信山社
    • ISBN
      9784797228144
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 新基本法コンメンタール労働基準法・労働契約法(第2版)2020

    • 著者名/発表者名
      野田進・西谷敏・和田肇・奥田香子
    • 総ページ数
      614
    • 出版者
      日本評論社
    • ISBN
      9784535402805
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 実務家のための労務相談2020

    • 著者名/発表者名
      野田進・鹿野菜穂子・吉永一行
    • 総ページ数
      410
    • 出版者
      有斐閣
    • ISBN
      9784641243392
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [備考] フランス労働法概説

    • URL

      https://www.shinzansha.co.jp/book/b10026265.html

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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