研究課題/領域番号 |
20K01347
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05050:刑事法学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池田 公博 京都大学, 法学研究科, 教授 (70302643)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 刑事訴訟法 / 捜査法 / 任意捜査 / 同意 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,捜査実務において重要な役割を果たしている,捜査機関が被処分者の同意を得て行う捜査手法の適否を,法的に評価するための基準の定立を目的とする。中でも,同意の有無はどのような事情に基づいて判断するか,同意を得るための働きかけにはどのような限界があるか,得られた同意の有効性が欠ける(捜査が任意にされたものとはいえないことになる)のはどのような場合かについて,国内の実務家の意見や,外国での議論も踏まえつつ,検討を加える。
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研究成果の概要 |
犯罪捜査の対象者による、捜査上の処分の実施に対する同意について、その存否や、有効性の判断のあり方について検討した。対象者が処分の実施を知ることのできる場合と、処分の存在を知らないまま処分が実施される場合とでは、特に後者において同意の機会も対象もないという意味において同意を認める契機がないため、同意に基づいて強制性を否定する理由がないと解する一方、明示的になされる処分の存在を知っている対象者との関係では、制約を受忍すべき権利ないし利益の所在について認識があれば、例えばその主体が捜査機関であることを知らずに同意をしたとしても、その有効性は失われず、処分は強制的になされたものとはいえないと指摘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
捜査対象者の同意を得て行う任意捜査は、柔軟かつ迅速に捜査目的を達成することを可能にし、実務上果たす役割が大きい一方、同意の存否や射程、および有効性は、実施された捜査手法の適否の評価に影響する。本研究は、同意の存否等の判断において考慮されるべき事情と、その持つ意味について検討を加え、任意捜査の適否の評価基準を明確化することを通じて、実務の効率化のみならず適正化に資するものといえる。また本研究の成果は、捜査対象者の協力が法的に義務付けられる形態の強制処分の実効性確保のあり方についても示唆を与えるものといえる。
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