研究課題/領域番号 |
20K01349
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05050:刑事法学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松田 岳士 大阪大学, 大学院法学研究科, 教授 (70324738)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 訴因 / 公訴事実 / 審判対象論 / 当事者主義 / 公訴事実の同一性 / 訴因変更 / 公訴対象論 / 刑事訴訟の構造 / 刑事手続 / 審判対象 / 訴因の特定・明示 / 裁判 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、わが国の現行刑事訴訟法256条3項および312条によって採用されている「訴因」をめぐる刑訴法学上の議論について、これまでは特殊な歴史的経緯もあって「審判対象論」が所与の前提とされてきたために看過されてきた側面に「公訴対象論(公訴の対象事実論)」という観点から新たに光を当て直すことでこれを問題化し、訴因をめぐる個別の問題について新たな解決の道筋を示すと同時に、これらの諸論点・問題を体系的に位置づける基礎となる新たな理論枠組を構築するものである。
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研究成果の概要 |
現行刑事訴訟法の当事者主義的性格を象徴する制度である訴因をめぐる諸問題について、従来の「審判対象論」の問題点を洗い出し、「公訴対象論」という理論枠組を採用することによって、これまでにない新たな角度から検討し直した。具体的には、訴因の「特定」と「明示」の意義やこれらの要請がもつ制度的機能の差異を明らかにし、この各問題と訴因変更に関する諸問題の間の関連性を解明し、さらには、訴因と判決において示されるべき「罪となるべき事実」との差異といった諸問題に、新たな体系的地位を与え、従来とは異なる角度から検討し直した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
訴因制度は現行刑事訴訟法の当事者主義化を象徴する制度であり、その採用は刑事裁判を「真実発見」の場から当事者の攻防の「勝敗判定」の場へと転換させる意味を持つ。そのため、訴因の特定・明示、訴因変更の要否・可否といった諸問題は、刑事裁判の存在意義それ自体に関わる重要な問題であるが、従来、これらはもっぱら「審判対象論」の枠組内で検討されてきたため、これらの諸問題間の相互関係が不明確である等、理論的な解明が不十分なままにとどまっていた。本研究は、公訴対象論という観点を付加することにより、裁判論との関係をも射程に入れた新たな理論枠組を提示し、刑事訴訟のあり方を考える上で重要な視点を確立するものである。
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