研究課題/領域番号 |
20K01350
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05050:刑事法学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田淵 浩二 九州大学, 法学研究院, 教授 (20242753)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 直接主義 / 最良証拠 / 取調べの録音・録画 / 刺激証拠 / 当事者主義 / 展示証拠 / 司法面接 / 録音・録画記録媒体 / ドイツ刑事訴訟法 / 取調べの録音録画 / 刑事訴訟 / 証拠の顕出 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、第一に、現在実務で議論になっている証拠方法の選択時の優先順や表現方法の制限を伴う証拠顕出の在り方を、刑事訴訟における証拠能力のルールと証拠調べの方式のルールの中間にある法的ルールとして、公判及び証拠の基本原則の中に明確に位置付けるための基礎的研究を行なおうとするものである。合わせて、証拠採否の決定のための事実の取調べの場として公判と公判前整理手続を使い分けるやり方についても研究を行う。
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研究成果の概要 |
本研究の主要な成果は次の二点である。一点目として、ドイツの2017年実効的・実践的刑事手続法の制定に至るまでの直接主義と取調べの録音・録画記録の証拠使用の関係をめぐる議論の分析を通じて、同法が被疑者・被告人の取調べの録音・録画義務の規定を設けた際、合わせて、裁判官の尋問調書と同一要件の下、実質証拠としての使用を可能にした理由を、録音・録画記録の完全・正確性の意味での証拠の上質性だけで説明することはできないとの結論を得た。二点目として、Dale A. Nanceの当事者主義の修正原理としての最良証拠主義論が、証拠の顕出方法をめぐる各論的議論に影響する可能性を秘めていることを解明できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
証拠の顕出方法についてのルールは少なく、どちらかというと実務の運用上の工夫に委ねられてきた部分が大きい。しかしながら、証拠の顕出方法も、証拠能力と同様に、公判中心主義、直接主義、口頭主義といった公判及び証拠の基本原則に関係するテーマである。本研究は、直接主義を採用するドイツ刑事訴訟法における取調べの録音・録画記録の実質証拠としての使用の条件をめぐる議論や、当事者主義を採用するアメリカ証拠法の修正原理としての最良証拠主義論が証拠の顕出順序や条件に及ぼす可能性の考察を通じて、日本の実務が直面している証拠顕出に関する諸問題を解決するための法的視点を提供できたことに学術的意義や社会的意義が認められる。
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