研究課題/領域番号 |
20K01352
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05050:刑事法学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
金澤 真理 大阪公立大学, 大学院法学研究科, 教授 (10302283)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 性的自由 / 盗撮 / 再犯防止 / 性的プライヴァシー / ジェンダー |
研究開始時の研究の概要 |
性的プライヴァシーの刑法的保護のあり方について解明するために、①私的な秘密が守られる領域での行為、およびその後のデータの拡散等が如何なる自由を害しているか、②その規制の必要があるか、そうであれば、③どのような規制態様が適切で有効かという課題を設定する。課題解決のために比較法的実態調査、邦語外国語の文献資料の分析という手法を用い、行動科学の知見を踏まえた刑事政策的観点をも加味して法理論的に考察を加え、立法的解決の是非、方途について考究する。
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研究成果の概要 |
本研究は、私的な領域において個人が自ら選択した者以外からの介入を受けない利益を性的プライヴァシーと位置づけ、その侵害に対する刑法的保護の方法、態様について考察を加えるものである。まず、伝統的な刑法学の手法を用いて、小型撮影機器を用いる盗撮等をはじめとする私的領域の侵害につき、他の性犯罪と比較した性的プライヴァシーの意義やその侵害態様を明らかにする一方で、規制の是非、態様に関して、理論と実務の両面から刑法的禁止が及ぶ範囲を比較法的に検討した。さらに、性の多様性に関する隣接分野の議論状況の変遷を受けて、刑事政策的観点から、問題行動やその防止に関する施策、枠組みを検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小型精密機器等の発達、普及によって容易になった盗撮等の行為は防止の必要性が高い。その規制については、近年抜本的な性犯罪に関する刑法改正とともに、特別法が設けられたが、法の適正な運用をはかるためにも、特に処罰を科してまで保護すべき性的なプライヴァシーの意義の解明、保護態様の精査が一層要請されている。特に性の多様性に直面し、刑法的な介入を要する基準の導出は、関連する諸分野の学術研究に示唆を与え、社会的にも意義が大きいと考えられる。
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