研究課題/領域番号 |
20K01354
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05050:刑事法学関連
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
佐藤 拓磨 慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (10439226)
|
研究分担者 |
川崎 友巳 同志社大学, 法学部, 教授 (80309070)
樋口 亮介 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (90345249)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 没収・追徴 / 犯罪収益 / 没収 / 追徴 / 犯罪収益の剥奪 / 性的画像記録の没収・記録消去 / マネーロンダリング |
研究開始時の研究の概要 |
組織犯罪対策としては、犯罪によってまたは犯罪の報酬として得た財産(犯罪収益)を犯罪組織の手元に残さないようにすることが有効である。その手段として没収という制度があるが、日本の法律では没収が認められるための要件が厳しく、犯罪収益をはく奪するという働きを十分には果たせていないという問題がある。 本研究では、近年、国際的な組織犯罪対策への取り組みの一環として没収制度を拡充・強化している諸外国の動向を調査・研究し、その内容と理論的基礎づけを明らかにする。これにより、日本でも近い将来求められるであろう法改正のための議論に役立つ知見を得ることを目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究の成果のうち特に重要なものを挙げると以下の通りである。第一に、性的画像記録の没収・消去に関する日本の現行法(2023年3月末時点)の問題点を指摘し、この問題に関する立法課題を提示することができた。第二に、アメリカの没収制度の全体像(民事没収、刑事没収、行政没収)および沿革を明らかにすることができた。第三に、オーストリアの没収制度の概要を明らかにすることができた。第四に、薬物犯罪、違法な高利貸しなどの財産犯罪、および金融商品取引法上の犯罪から得た財産の没収に関する裁判例を詳細に分析することにより、日本の没収制度の問題点を明らかにし、具体的な立法課題を提示することができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
性的画像記録の没収・消去については先行研究がみられなかったところ、本研究により、性的画像の拡散防止という社会的課題の解決に一定の寄与ができたと考えている。アメリカおよびオーストリアの没収制度の研究は、将来の日本の立法論の参考となりうる学術的価値のある基礎資料であるといえる。犯罪から得た財産の没収に関する裁判例の体系的研究はこれまでほとんどみられなかったことから、それ自体に学術的意義がある。また、これに基づく立法課題の提示は、将来の日本の立法論の参考になりうるだけでなく、今後の比較法研究において重点的に調査すべき事項を選択する際の指針を提供するものとして、学術的価値があるものと考える。
|