研究課題/領域番号 |
20K01366
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
村田 健介 名古屋大学, 法学研究科, 准教授 (00551459)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 所有権 / 精神的損害 / 不法行為 / 慰謝料 / 財産権 / 損害賠償 |
研究開始時の研究の概要 |
実務の処理についてその論拠が説得力を持って明らかにされているとは言い難い,(I)所有権侵害により生じる精神的損害の賠償のあり方について,説得力のある法的処理のあり方を明らかにすることを目指す。(II)所有権以外の財産権侵害により生じる精神的損害の賠償のあり方についても提示することを目指す。その際の検討は,(I)での分析・検討を一般化できるか否かという観点から行うことを主とする。
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研究実績の概要 |
本研究は,主として,実務の処理についてその論拠が説得力を持って明らかにされているとは言い難い,(長期的には財産権侵害一般を扱う予定であるが,当面は)所有権侵害により生じる精神的損害の賠償のあり方について,理論的な説得力を備えるとともに,実務的な感覚や一般市民の意識にも留意した法的処理のあり方を明らかにすることを目指すものである。これらを明らかにするにあたっては,国内の状況のみならず,他国,とりわけフランスの状況をも参照することとしている。 令和4年度においては,令和3年度に引き続き,日本法の検討の深化とフランス法の検討とを並行して行うこととしていた。可能であれば,これらに加えてフランス出張を行い,フランス人研究者への対面インタビューを行う予定にしていたが,それは叶わなかった。そのため,令和4年度においても,フランス不法行為法の教科書のほか,精神的損害をメインテーマに扱う博士論文等の文献検討が中心になった。ただ,収集した文献が増えた分,令和3年度に比べて,検討対象は深く・広くなってきている。一方,日本法については,所有権侵害の場合の精神的損害の賠償に関する裁判例のフォローを継続的に行っている。令和4年度は,特に,東日本大震災における福島第一原発事故にかかる避難により生じた損害の賠償請求訴訟に関して,所有権侵害の場合の精神的損害という角度から損害の内実を検討する作業を行った。 これらの研究成果は未だ発表できるまでには至っていないが,最終年度に向けて,公表の準備を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献検討はある程度進められており,また日本法に関しても,東日本大震災における福島第一原発事故にかかる避難により生じた損害の賠償請求訴訟に関する分析を進めることができた。これらの点からは,予定通りの進捗状況であるということができる。 一方で,渡仏しての文献収集・フランス人研究者へのインタビューを予定していたが,新型コロナウイルス感染症の影響が続き,外国出張が叶わなかった。これらに関しては,オンラインによる代替も考えられたところではあるが,現地で内容の詳細を確認できないままで行う文献収集にはどうしても限界が伴い,また,外国語でのインタビューは,こちらにとって能力的に制約があるため,日本語でのインタビュー以上に,遠隔方式での内容理解にはどうしても限界が伴うことから,遠隔方式でのインタビュー実施は回避した。そのため,フランス法の内容を取り込んだ成果公表には至っていない。これらの点において,予定通りの進捗状況であるとはいえない部分がある。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度までに収集したフランス語文献の詳細な検討を進めることを中心としつつ,随時文献収集を行い,検討を深化させていくこととする。一方で,外国出張を行うことへの支障が取り除かれつつあることから,フランス出張を行い,フランス人研究者への対面インタビューを通じて,文献検討によるフランス法理解を検証とするとともに,最終年度における日仏比較検討につなげていく予定である。
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