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民事執行における承継執行の要件の再構築

研究課題

研究課題/領域番号 20K01369
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分05060:民事法学関連
研究機関神戸大学

研究代表者

八田 卓也  神戸大学, 法学研究科, 教授 (40272413)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2022年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード民事執行 / 承継執行 / 執行力の主観的拡張 / 執行力 / ドイツ民事訴訟法 / 執行力の拡張 / 口頭弁論終結後の承継人 / 強制執行 / 民事執行法
研究開始時の研究の概要

本研究の概要は以下の通りである:承継に関する正しい実体法理解を前提とした、日本の民事執行制度におけるあるべき承継執行の要件を明らかにすること。そのために承継執行における「承継」概念を、プロイセン草案やハノーファー草案といった、日本法の母法であるドイツ民事訴訟法の草案段階や、それ以前のプロイセン民事訴訟法等のドイツ法の前身たる民事執行制度まで遡り、それらの起草者や当時の学説・判例の考えも明らかにしつつ、また当時の実体法理解との連関や執行制度全体の中での位置づけを意識しつつ沿革を跡づけることを通じて、解明すること。

研究実績の概要

承継執行の規律について、ドイツ普通法から日本民事執行法までの沿革を明らかにし、ドイツ・日本における(1)執行力の主観的拡張の根拠、(2)執行力・既判力の主観的拡張の範囲の一致の有無、(3)承継人に対する執行力拡張の議論の仕方、(4)請求異議事由が、執行文付与の訴え・執行文付与に対する異議の訴えの審理対象となるか、といった論点についての議論状況を明らかにすることができた。その結果、ドイツ・日本の双方において【債務名義上の請求権+α=承継人に対する請求権】という等式の成立が前提とされてきたこと、ドイツ法は、承継執行の規律の構築に際し、債権者の利益と債務者承継人の利益の調整に腐心してきたこと、日本法は、一見ドイツ法の規律を承継しているように見えつつ、上記ドイツ法における債権者・債務者承継人間の利益調整のための道具立てを受継せず、その結果バランスを欠く規律になっているように見受けられること、を明らかにすることができた。また、以上を踏まえた、あるべき承継執行の解釈論として、承継事由のみで簡易付与・執行文付与の訴えによる承継執行文の付与を認めるべきであること、立法論として、承継執行文付与の訴え・承継執行文付与に対する異議の訴えを廃止した上で規律を整備するべきであること、を自身の研究の具体的帰結として導くことができた。以上は、八田卓也「口頭弁論終結後の承継人に対する執行力の拡張――既判力の作用否定説を受けた考察(1)(2・完)」民商法雑誌158巻3号550-587頁、4号919-955頁(2022年9月・11月)において公表している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初予定していた研究のほぼ全てを終えることができた。

今後の研究の推進方策

これまでの研究で必ずしも十分に検討できなかった点として、①ドイツ法における承継執行文の簡易付与手続における裁判所に顕著な事実・公文書・公認証文書による立証の具体的あり方、②執行力拡張の軸となる「承継」の内実、がある。これらを明らかにすることに、今後の研究としては注力したい。

報告書

(3件)
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (20件)

すべて 2022 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)

  • [国際共同研究] バレンシア大学/コルドバ大学(スペイン)

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [国際共同研究] オックスフォード大学(英国)

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 口頭弁論終結後の承継人に対する執行力の拡張――既判力の作用否定説を受けた考察(1)2022

    • 著者名/発表者名
      八田卓也
    • 雑誌名

      民商法雑誌

      巻: 158巻3号 ページ: 550-587

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 口頭弁論終結後の承継人に対する執行力の拡張――既判力の作用否定説を受けた考察(2)2022

    • 著者名/発表者名
      八田卓也
    • 雑誌名

      民商法雑誌

      巻: 158巻4号 ページ: 919-955

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 設立前の未払管理費等の支払請求にかかる原告適格(最判平成13.3.22)2022

    • 著者名/発表者名
      八田卓也
    • 雑誌名

      山野目章夫=佐久間毅=熊谷則一編『マンション判例百選』

      巻: 書籍 ページ: 62-63

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 保証人事例と連帯債務事例における反射効2022

    • 著者名/発表者名
      八田 卓也
    • 雑誌名

      (越山和広=高田昌宏=勅使川原和彦編)本間靖規先生古稀祝賀『手続保障論と現代民事手続法』

      巻: 書籍 ページ: 179-202

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 民事訴訟における「既判力」の作用局面2022

    • 著者名/発表者名
      八田卓也
    • 雑誌名

      南野森編『ブリッジブック法学入門(第3版)』

      巻: 書籍 ページ: 180-193

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Rise and Fall of Traffic Accident ADR in Japan: The Cause and the Possible Remedy2022

    • 著者名/発表者名
      Takuya Hatta
    • 雑誌名

      ‘Delivering Justice: A Holistic and Multidisciplinary Approach, Liber Amicorum in Honor of Christopher Hodges’(Xandra Kramer et al. ed., Hart, 2022)

      巻: 書籍 ページ: 213-225

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際共著
  • [雑誌論文] 国際商事仲裁ADR判例紹介(24)2022

    • 著者名/発表者名
      八田卓也
    • 雑誌名

      JCAジャーナル

      巻: 69巻7号 ページ: 48-49

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 消費者団体訴訟制度と消費者裁判手続特例法2021

    • 著者名/発表者名
      八田卓也
    • 雑誌名

      ジュリスト

      巻: 1558号 ページ: 34-39

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 暴対法上の適格団体訴訟制度の解釈による拡張可能性について2021

    • 著者名/発表者名
      八田卓也
    • 雑誌名

      神戸法学雑誌

      巻: 71巻1号 ページ: 1-26

    • NAID

      120007098999

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Collective Redress to Recover Consumer Damage in Japan2021

    • 著者名/発表者名
      HATTA, Takuya
    • 雑誌名

      Japan Commercial Arbitration Journal

      巻: Vol. 2 ページ: 107-116

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 詐害信託取消法理の理論的課題2021

    • 著者名/発表者名
      八田卓也
    • 雑誌名

      家族信託実務ガイド

      巻: 21号 ページ: 2-6

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 消費者被害の回復に向けた特定適格消費者団体の認定のあり方2021

    • 著者名/発表者名
      八田卓也
    • 雑誌名

      現代消費者法

      巻: 50号 ページ: 49-56

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 破産法上の開始時現存額主義と民法上の一部弁済による代位の規律との関係についての一考察2020

    • 著者名/発表者名
      八田卓也
    • 雑誌名

      (三木浩一=山本和彦=松下淳一=村田渉編)加藤新太郎先生古稀祝賀論文集『民事裁判の法理と実践』

      巻: 書籍(論文集) ページ: 445-462

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 民訴法324条に基づく移送決定についての取消しの許否2020

    • 著者名/発表者名
      八田卓也
    • 雑誌名

      ジュリスト

      巻: 1544号 ページ: 124-125

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 請負代金請求を本訴、瑕疵修補に代わる損害賠償請求を反訴とする訴訟における本訴請求債権を自働債権とする相殺の抗弁の適法性(最判令和2 年9 月11 日民集74 巻6 号1693 頁について)2022

    • 著者名/発表者名
      八田卓也
    • 学会等名
      日本民事訴訟法学会関西支部研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 口頭弁論終結後の承継人に対する執行力の拡張2022

    • 著者名/発表者名
      八田卓也
    • 学会等名
      関西民事訴訟法研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 民事執行・民事保全法〔第2版〕2021

    • 著者名/発表者名
      中西正=中島弘雅=青木哲=八田卓也
    • 総ページ数
      402
    • 出版者
      有斐閣
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 事例で考える民事訴訟法2021

    • 著者名/発表者名
      名津井吉裕=鶴田滋=八田卓也=青木哲
    • 総ページ数
      477
    • 出版者
      有斐閣
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2023-12-25  

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