研究課題/領域番号 |
20K01373
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
星 明男 学習院大学, 国際社会科学部, 准教授 (10334294)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 同意なき買収 / ポイズン・ピル / 買収防衛策 / スタートアップ企業 / パススルー課税 / Up-C / 資本規制 / 分配規制 / 株主アクティビズム / 複数議決権株式 / サンセット / 非上場株式 / バリュエーション / 会社法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、裁判における非上場株式の価格決定を対象とする。現行会社法では、①株主に会社に対する株式買取請求権が認められる場合と②譲渡制限株式について売主と買主との間で売買価格の合意が整わなかった場合には、裁判所に買取価格を決定することが求められる。しかし、裁判官は株式価値評価の専門家ではないため、これらの手続では、専門家から提出された株式価値評価報告書に不適切なところがないかをレビューするのが実際の運用である。本研究では、(1)裁判所によるレビューの精度を上げるにはどうしたらよいか、(2)裁判所が価値評価を行わなくても買取価格についての争いを決着できる制度はどのように設計できるかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度の主な研究実績は、①経済産業省が2023年8月31日に公表した「企業買収における行動指針」の理論面からの検討、②日本の買収防衛策がアメリカ(特にデラウェア州)のポイズン・ピルとは異なる発展を遂げたことについての理論的考察、③アメリカでスタートアップ企業の組織形態として(LLCではなく)C法人が用いられることについての理論的・実務的検討の3つである。 ①については、旬刊商事法務2339号に「『企業買収における行動指針』の検討――指針の支配権市場観と株主意思の原則の再定位」と題する論文を公表した。 ②については、「Peculiar Developments regarding Anti-takeover Measures in Japan」と題するワーキング・ペーパーにまとめ、2024年5月29日・30日にタイ王国バンコクで開催される21st ASLI Conferenceにおいて報告を行う予定である。 ③については、「米国におけるスタートアップ企業の組織形態選択と課税」と題する論文を2024年夏頃に有斐閣から刊行予定の記念論文集に寄稿した。 なお、主に2022年度の研究成果である「買収防衛策のアクティビスト対抗策への変容とその司法審査」と題する論文を収録した論文集『商法学の再構築――岩原紳作先生・山下友信先生・神田秀樹先生古稀記念』が2023年10月に有斐閣から刊行された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度から2021年度にかけて、新型コロナウイルスによるパンデミックの影響で生じた研究計画の遅延は、概ね挽回した。2024年度は研究成果の発表を中心に研究計画を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年5月29日・30日に21st ASLI Confrenceで報告する「Peculiar Developments regarding Anti-takeover Measures in Japan」を完成させ、英文査読誌に投稿する。また、主に2021年度から2022年度にかけての研究成果である株式会社の資本維持・配当規制についての比較法的分析を英文査読誌に投稿すべく共著者と準備を進めている。
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