研究課題/領域番号 |
20K01393
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
洲崎 博史 京都大学, 法学研究科, 教授 (20211310)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 新株発行 / 新株発行不存在 / 新株発行無効 / 小規模閉鎖会社 / 出資の履行 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、小規模閉鎖会社において、新株発行が支配権変動の手段として濫用的に用いられる場合の規律のあり方を検討しようとするものである。判例データベースや訴訟代理人へのインタビューを通じて、とりわけ新株発行のでっちあげがいかなる策略・詐術により行われるのか、新株発行を知った株主が関連する証拠をどのように収集して新株発行の効力を否定するための訴えを提起するのかを調査し、この類型の紛争事案の特徴を明らかにする。その知見を基礎として、適合的な紛争解決法を提示する。
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研究成果の概要 |
非公開会社たる小規模閉鎖会社においては、新株発行の手続として求められる株主総会決議を欠くにとどまらず、出資の履行を欠いたり、新株発行の事実が隠蔽されるなど、より大きな瑕疵を伴う新株発行が支配権変動目的で行われることが少なくない。このような新株発行により不利益を受ける株主に、新株発行無効の訴えを超える救済策、すなわち、新株発行不存在の主張を認めるべきかどうかが問題となる。本研究では、出資の履行を欠く新株発行の効力、平成26年会社法改正により導入された出資の履行の「仮装」に関する諸規定の意義と射程距離にかかる検討を踏まえて、新株発行不存在事由の判断枠組みを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小規模閉鎖会社における新株発行無効事由や新株発行不存在事由について検討する先行研究はこれまでにもみられたが、出資の履行を欠いたまま新株発行の登記が行われる実態にも踏み込んで、新株発行の効力について論じた点、平成26年会社法改正で導入された出資の履行の仮装に関する新規定における「仮装」の意義について深く検討して新株発行効力論との関係を明らかにした点、いかなる事実が新株発行の実質的不当性を根拠付けるかという観点から裁判例を分析し、新株発行不存在事由の判断枠組みを示した点で、本研究の新規性・独自性が認められ、会社法学界への貢献は大きいと考えられる。
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