研究課題/領域番号 |
20K01398
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
鶴田 滋 大阪公立大学, 大学院法学研究科, 教授 (90412569)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 補助参加 / 独立当事者参加 / 参加的効力 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、民事訴訟において、第三者が、係属中の民事訴訟の当事者の一方にどのような場合に補助参加をすることができるのか(これを補助参加の利益という)についての判断基準を再検討することを目的とする。本研究では、補助参加の利益の判断基準は、参加的効力(これは、第三者が補助参加した訴訟の判決効であり、その訴訟の当事者と補助参加人〔補助参加した第三者〕の間に生じる)と関連があるとの仮説を立て、これを母法ドイツ民事訴訟法における議論を参照しながら論証することを試みる。
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研究実績の概要 |
2023年度は、前年度に引き続き、補助参加の利益、補助参加人の訴訟上の地位、および、参加的効力に関する日独の最新文献を検討する作業を行った。この作業により。これらの最新文献を含めた、これまでの先行研究において検討されていない点を明確にすることができた。具体的には、日本の民事訴訟法に補助参加制度の沿革や、日本民事訴訟法制定過程において参照されたと推測可能なオーストリア民事訴訟法における補助参加制度については、未だ十分に紹介されていない部分があることを確認した。 それと並行して、補助参加制度と隣接する独立当事者参加の要件、および、参加人の訴訟上の地位に関する研究を行った。具体的には、「独立当事者参加における敗訴者の一人による上訴」および「独立当事者参加訴訟における二当事者間の和解の可能性」という二つの論考を公表した。これらの二つの論考における研究を通じて、独立当事者参加は、必要的共同訴訟の要件(合一確定の必要性)を充たしていないケースにおいても独立当事者参加の要件が充たされるにもかかわらず、当事者参加をした者の訴訟上の地位は、合一確定の必要性のために、必要的共同訴訟人と同等の強い地位が得られるという特殊な制度であることを明らかにした。このことと、2022年度までに行った共同訴訟的補助参加の制度趣旨の解明を通じて、独立当事者参加と共同訴訟的補助参加の制度と、補助参加の制度との関係を明らかにできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度も勤務校の法学研究科長を務めたことから、十分な研究時間を確保できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究成果を基に、補助参加制度の存在意義を解明し、このことから、補助参加の利益、補助参加人の訴訟上の地位、および、参加的効力の相互関係を明らかにするという、研究計画当初の目標を達成すべく研究を進める予定である。その際、手がかりとなるのは、現在のところ、日本の民事訴訟法に補助参加制度の沿革の再確認や、ドイツ法圏にありながら、ドイツ法やスイス法とは異なる規律をもつオーストリア民事訴訟法における補助参加制度の解明にあると考えるので、これらの事項についての研究を進める予定である。
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