研究課題/領域番号 |
20K01406
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
|
研究機関 | 桐蔭横浜大学 |
研究代表者 |
青木 仁美 桐蔭横浜大学, 法学部, 准教授 (80612291)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 成年後見制度 / 意思決定支援 / 成年者保護 / カナダ / オーストリア / スイス / ブリティッシュコロンビア州 / 成年後見法 / 障害者権利条約 / サスカチュワン州 / 意思決定支援制度 / 共同決定制度 / 成年者の法的保護 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、成年者の意思決定支援において、代理から援助への完全な移行の必要性を否定し、意思決定支援を代理決定制度と支援付き意思決定制度の2制度によって実施すべきことを提言するものである。本研究は、オーストリア法とカナダ法を検討し、日本法への示唆を得る比較法的手段を用いる。
|
研究実績の概要 |
障害者権利条約と成年後見制度および意思決定支援の関係を解明するために、ブリティッシュコロンビア州(カナダ、以下、BC州とする)の成年後見法と意思決定支援について研究を行った。BC州は成年後見制度を最終手段とし、成年後見制度の代替手段として法的な意思決定支援制度を有しており、意思決定支援の評価が国際手的に高いからである。意思決定支援制度の特徴は、本人が制度を利用する際に必要となる能力要件の緩和と事前計画であった。同研究を論文にまとめ、「ブリティッシュコロンビア州(カナダ)における成年後見法と意思決定支援」として公刊した(早稲田大学高等研究所第16号、5~24ページ、2024年3月)。 また、オーストリアは障害者権利条約の影響を受け2018年に民法改正を行っている。この内容を「オーストリアの成年者保護法改正」として日本成年後見法学会第20回学術大会で発表した。発表内容は、「オーストリアの成年者保護法改正」として論文にまとめ、成年後見法研究21号に2024年内に公刊予定である。 さらに、障害者権利条約は成年後見制度の利用を必要な程度に制限し、代替制度の模索を趣旨としていることから、オーストリアの成年者保護協会が実施している任務であるクリアリング(代替制度の提案)が日本にとって参考となる。この点をまとめた論文「オーストリアにおけるクリアリングが持つ意義」が実践成年後見111号に2024年6月に公刊予定である。 「成年後見制度の在り方に関する研究報告書」(商事法務、2024年)においてスイスとオーストリアの部分を担当した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
障害者権利条約を国内法においてどのように具現化するかという問題に対して、カナダ、オーストリア、スイスの動向を調査し、日本法への示唆を得るための研究を推進することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は、2024年6月にドイツのカッセルで実施される国際会議「ドイツ、オーストリアおよびスイスにおける障害者権利条約の具現化」に出席予定である。これら3か国が、国連の勧告を受け、現時点でどのような点を問題視しているか、およびそれぞれの成年者保護法を今後どう改革するかに関して研究を遂行する。
|