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多元的不法行為責任規範における損害論の横断的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K01408
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分05060:民事法学関連
研究機関龍谷大学

研究代表者

若林 三奈  龍谷大学, 法学部, 教授 (00309048)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード原子力損害 / 人身傷害保険金 / 人傷一括払 / 人身損害の算定 / 逸失利益の算定 / 製造物責任 / EU指令 / 福島第一原発事故 / 地域コミュニティの喪失 / 社会関係資本 / ふるさと喪失・変容損害 / 損害論 / 不法行為 / 原発事故 / 包括的平穏生活権 / 包括的生活利益 / ふるさと喪失 / 慰謝料 / 平穏生活権 / 人間の尊厳 / 非財産的損害の項目化 / 原状回復的損害賠償 / 併行給付との調整
研究開始時の研究の概要

危険責任原理による不法行為責任分野を中心に、それぞれの被害実態論を踏まえ、被害者に生じる経済的損失や非財産的損害について、被侵害法益の検討、新たな損害項目の設定・析出、それらの算定法理・指標の明確化を、学際的・実務的・比較法的視点を踏まえて試みる。併せて、被害者救済制度が多層化するなかで、賠償給付と、それ以外の補償給付や保険給付との関係を明らかにし、両者の調整原理・準則についても検討を試みる。

研究実績の概要

交通事故による人身損害賠償額の算定にかかわって、第1に、人身傷害保険金の支払いにかかる保険実務である、いわゆる人傷一括払における人傷社の自賠責保険金回収と社会保険者との求償との関係について実務家も含めた共同研究を経て、日本交通法学会のシンポジウムで報告する機会を得た。第2に、被害者の賠償請求額が素因により減額される場合、加害者の賠償責任額を確定するにあたって、既払の人身傷害保険金の控除は、素因減額前の損害額から控除するのか(素因減額分に保険金を優先充当する立場)、あるいは人傷保険約款規定の限定支払条項に鑑み、素因減額後の金額から控除するのか裁判例は二分されているところ、限定支払条項の意義、従来の議論、人傷保険の趣旨・目的から、前者(優先充当)が妥当であるとして、判例評釈を公表した。併せて、昨年度公表した交通事故による人身損害の逸失利益算定にかかる問題について、次年度の学会にて報告を得る機会を得たことから、とくに年少者・若年者の逸失利益算定における抽象的損害計算の意義について検討の一端をまとめ公表した。
次に、福島第一原発事故による避難者および滞在者の損害賠償請求訴訟(集団訴訟)については、2022年12月に原賠審から出された第5次追補の分析、後続訴訟における損害論の展開を整理している。その成果の一部を共同研究者らとともに市民向けの書籍として刊行した。
さらに、製造物責任につき、EUにおいて、社会のデジタル化・AI技術の進展、グローバル化、循環型経済への移行といった観点から、指令の全面改定が提案されているところ(2022年12月公表)、これを批判的に分析する欧文文献もすでに刊行されていることから、これらの調査も並行して進めている。その他、不法行為法分野での責任論の検討や最高裁判決について評釈する機会も得たので、これらについても適宜、雑誌で公表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画を遂行するなかで、新たな関連問題等への対応も迫られることもあるものの、全体としてみれば、おおむね研究計画にしたがい、研究作業を進められており、その成果の一部は、順次、公表できている。

今後の研究の推進方策

引き続き、研究計画に従い、関連する文献資料・情報収集を継続して行い、共同研究者らとの交流や法律実務家との対話をふまえて法理論の実践という観点にも留意しつつ、課題の理論的検討を深めていく。併せて、法学分野にとどまらない関連分野の研究者らとの交流や比較法的な視点を通して、被害実態の把握に努め、損害論・法益論の検討を行う。これらの成果については、適宜、適切な媒体において公表していく。以上の作業を円滑に進めるために、関連する文献資料の購入を適宜行い、国内外の出張を行う。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (21件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (15件) (うちオープンアクセス 4件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (5件)

  • [雑誌論文] 若年者の逸失利益・緒論-障害による減額は公平か2024

    • 著者名/発表者名
      若林三奈
    • 雑誌名

      龍谷法学

      巻: 56巻4号 ページ: 211-247

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 人傷一括払における人傷社の自賠責保険金回収と社会保険者の求償との関係2024

    • 著者名/発表者名
      若林三奈
    • 雑誌名

      交通法研究(交通賠償と人身傷害保険)

      巻: 51 ページ: 71-92

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 人身傷害保険金を素因減額分に優先充当した事例(京都地判令3・5・11交民集54巻3号583頁)2023

    • 著者名/発表者名
      若林三奈
    • 雑誌名

      交通事故民事裁判例集 54

      巻: 54巻(索引・解説)号 ページ: 21-28

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 不法行為に基づく損害賠償債務の遅延損害金と民法405条2023

    • 著者名/発表者名
      若林三奈
    • 雑誌名

      ジュリスト

      巻: 1583号 ページ: 61-62

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 代理監督者の責任2023

    • 著者名/発表者名
      若林三奈
    • 雑誌名

      法律のひろば

      巻: 76巻8号 ページ: 51-61

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 福島原発事故損害賠償訴訟における慰謝料論の現在と課題 : 2022年3月最高裁決定を受けて2022

    • 著者名/発表者名
      若林 三奈
    • 雑誌名

      龍谷法学

      巻: 55 号: 1 ページ: 123

    • DOI

      10.50873/10153

    • URL

      http://hdl.handle.net/10519/10153

    • 年月日
      2022-07-29
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 離婚慰謝料債務が遅滞に陥る時期(最判令和4・1・28)2022

    • 著者名/発表者名
      若林三奈
    • 雑誌名

      新・判例解説Watch

      巻: 233

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 全盲の視覚障害をもつ未就労の交通事故被害者の後遺障害逸失利益2022

    • 著者名/発表者名
      若林三奈
    • 雑誌名

      私法判例リマークス

      巻: 66 ページ: 46-49

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Die gegenwaertige Situation der Schadensersatzhaftung bei Atomunfaellen in Japan2021

    • 著者名/発表者名
      Wakabayashi, Mina
    • 雑誌名

      Zeitschrift fuer Japanisches Recht

      巻: 26(51) ページ: 137-169

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 福島原発事故控訴審判決における損害論の展開と課題-生業・群馬・千葉訴訟から弁済の抗弁を中心に2021

    • 著者名/発表者名
      若林三奈
    • 雑誌名

      環境と公害

      巻: 51(1) ページ: 21-26

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] [判批]後遺障害逸失利益についての定期金賠償の可否と終期(最判令和2・7・9民集74巻4号1204頁)2021

    • 著者名/発表者名
      若林三奈
    • 雑誌名

      民商法雑誌

      巻: 157(4) ページ: 768-783

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] [判批]素因減額を行う前に障害年金を控除した事例(いわゆる相対説により算定した事例)2021

    • 著者名/発表者名
      若林三奈
    • 雑誌名

      交通事故民事裁判例集

      巻: 52(索引・解説号) ページ: 4-11

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 集団に対する差別的言動と不法行為―――人間の尊厳と平穏生活権2021

    • 著者名/発表者名
      若林三奈
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 93巻2号 ページ: 94-99

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 取り込み詐欺の加害者から継続的に当該商品を買い受けていた業者の共同不法行為責任2021

    • 著者名/発表者名
      若林三奈
    • 雑誌名

      私法判例リマークス

      巻: 62号 ページ: 50-53

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] ふるさと喪失損害の意義―――生活再建後になお遺る包括生活基盤の喪失・変容による機能障害2020

    • 著者名/発表者名
      若林三奈
    • 雑誌名

      和田真一・大坂恵里・石橋秀起編『現代市民社会における法の役割』(日本評論社)

      巻: - ページ: 49-71

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 人傷一括払(人傷社の自賠責回収額)と社会保険給付との関係2023

    • 著者名/発表者名
      若林三奈
    • 学会等名
      日本交通法学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] ノーモア原発公害――最高裁判決と国の責任を問う2024

    • 著者名/発表者名
      吉村良一, 寺西俊一, 関礼子 編著
    • 総ページ数
      247
    • 出版者
      旬報社
    • ISBN
      9784845118854
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] インターネット時代のヘイトスピーチ問題の法的・社会学的捕捉2023

    • 著者名/発表者名
      金 尚均代表編集
    • 総ページ数
      304
    • 出版者
      日本評論社
    • ISBN
      9784535527263
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 判例講義民法Ⅱ債権 新訂第3版2023

    • 著者名/発表者名
      池田真朗・片山直也・北居功編集
    • 総ページ数
      304
    • 出版者
      勁草書房
    • ISBN
      9784326404131
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 新・判例解説Watch 2023年4月・速報判例解説Vol.322023

    • 著者名/発表者名
      新・判例解説編集委員会編
    • 総ページ数
      332
    • 出版者
      日本評論社
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 事件類型別不法行為法 (担当:共著, 範囲:取引関係における不法行為(231-282頁)2021

    • 著者名/発表者名
      窪田充見, 大塚直, 手嶋豊編著
    • 総ページ数
      544
    • 出版者
      弘文堂
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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