研究課題/領域番号 |
20K01411
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
本間 美奈子 久留米大学, 法学部, 教授 (00282195)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 上場会社 / 取締役 / クオータ制 / 自主的アプローチ / 非財務情報の開示 / 女性登用 / コーポレートガバナンス・コード / 管理職 / イギリス / ダイバーシティ / ステークホルダー / 会社法 |
研究開始時の研究の概要 |
企業社会において、指導的地位に女性を登用することは、女性活躍の推進および企業競争力や企業価値の向上等の観点から、喫緊の課題である。本研究では、クオータ制(女性役員割当制)で成果を挙げた先駆者ノルウェーの取組みと、クオータ制の法制化に抵抗し、企業主導の自主規制により5年弱で上場会社の取締役会における女性の割合を倍増させたイギリスの取組みを明らかにする。さらに、経営上層部の女性はほとんど増加していない等、その後両国が直面している諸問題も含めて調査・分析することにより、わが国における上場会社の役員層に占める女性の割合を高める方策について検討する。
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研究実績の概要 |
2022年度は、以下の研究を行った。①イギリスの上場会社における取締役への女性登用を促進するレビュー組織第2弾であるハンプトン・アレクサンダー・レビューにより2016年から2021年に公表された報告書や財務報告評議会(FRC)の報告書等を精査した成果の1つとして、論文「イギリスの上場会社における上級管理職と取締役への女性登用を促進する取組み-ハンプトン・アレクサンダー・レビューの挑戦-」を脱稿し、投稿することができた。②イギリスの上場会社における取締役への女性登用を促進するレビュー組織第3弾であるFTSE Women Leadersが2022年と2023年に公表した報告書と関連文書(FRC、FCA、ビジネススクール、平等・人権委員会など)を精査し、2025年にFTSE350企業平均で取締役および上級管理職に占める女性割合40%を目標とする取組みについて、確認・検証し、現在論文を執筆中である。③ノルウェーのクオータ制導入の経緯について理解を深め、女性登用の手法としてのクオータ制と自主的アプローチの意義についても理解を深めることができた。さらに、クオータ制導入後の評価についての文献や調査報告書を収集のうえ精査し、現在論文を執筆中である。④日本における取組みについても、特にイギリスとの比較という視点からの分析を行い、上記の論文にて記した。 予定していた海外調査はコロナ禍の影響のため実施できなかったが、国内調査(資料収集等)は実施できるようになり、併せてオンラインのみならず対面での研究報告も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に予定していた海外調査については、コロナ禍の影響を受け実施できなかったが、イギリスについては、特にFTSE350企業における取締役および上級管理職への女性登用を促進する民間主導の自主的アプローチ第2弾・第3弾となるレビュー組織それぞれの活動について、ネットでの情報収集により、不十分ではあるものの相応の情報を集めることができており、論文を書き上げることができた。 ノルウェーについては、ネットでの情報収集により、相当数の論文・報告書を収集することができ、クオータ制導入の経緯のみならず、現在に至るまでの評価についても理解を深めることができた。国内調査については、コロナ禍における規制も緩和されつつあるため、研究報告とともに実施できるようになり、研究の進展につながった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に実施できなかった海外での現地調査については、2023年度に実施することとする。特に、ノルウェーのクオータ制について、日本国内にあっては、第1次資料の入手が非常に困難であるため、ノルウェーでの現地調査(特に資料収集)の必要性を痛感している。現在、夏期に現地調査を実施すべく、準備を進めているところである。イギリスについては、文献調査で明らかになった問題点を解明すべく現地調査を実施する予定である(秋期か春期を予定)。 海外での現地調査の成果を研究報告を通じて深め、公表する予定である。
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