研究課題/領域番号 |
20K01414
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05070:新領域法学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
星野 豊 筑波大学, 人文社会系, 教授 (70312791)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 民事訴訟記録 / 閲覧制限 / 公開情報との交錯 / 当事者の秘密 / 相手方における配慮義務 / 主観的悪意 / 不必要な情報拡散 / 裁判所への監督 / 不特定多数への情報拡散 / 当事者 / 情報保護 / 情報管理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、民事裁判記録における当事者及び関係者の情報管理及び情報保護のあり方について、行政情報の公開等の情報公開制度ないし情報開示制度、及び、個人情報やマイ・ナンバーに係る情報保護制度との比較検討を基に、望ましい制度設計に関する提言を行うことを目的とする。 具体的には、上記の各制度相互間で情報の開示不開示の範囲について実質的な矛盾が生じているほか、濫用的な情報公開請求が行われているという現状を考慮し、国民ないし市民がどのような権利及び責務を情報保護制度に関して有するべきかについて、また、民事裁判における当事者及び関係者の個人情報の取扱いをどうすべきかについて、改めて考察することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究での検討を通じて、訴訟情報を閲覧する第三者には、裁判所が公正な審理判断を行っているか否かについて主権者を代表して監督している性格があり、第三者は閲覧により得た情報に関して公益的な義務を負うと考えることが可能である、との理論的観点を得るに到った。さらに、訴訟当事者についても、訴訟中に得られた情報の管理に関しては第三者と同様あるいはそれ以上に公益的立場にある性格があると考えることができ、少なくとも意図的に相手方の情報を不特定多数の者に対して拡散する行為については、法律上の制裁を加えて差し支えないとの解釈が充分支持される可能性が高いと考えられる、との理論的観点が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
裁判は、その重要部分を書面としての記録に基づいて行わざるを得ず、また、学問上の一般的な観点からも、明らかな「1次資料」である筈の裁判記録について、これまでほとんど研究らしい研究がおこなわれてこなかった。本研究の採用する観点は、これまで実務と理論との間にあって双方から十分検討されてこなかった部分に対して「当事者・関係者の情報の保護」という新たな観点から本格的な検討を行うものであり、独自性と創造性は論ずるまでもなく、また、裁判における情報の取扱いという問題点は、将来における司法制度全体のあり方についても、影響を及ぼし得るものと思われる。
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