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AI・ブロックチェーンによる特許法の基軸概念の変容と理論的再構成に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K01415
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分05070:新領域法学関連
研究機関南山大学 (2021-2023)
筑波大学 (2020)

研究代表者

平嶋 竜太  南山大学, 法学部, 教授 (70302792)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード特許法理論 / 人工知能(AI) / 生成AI / AI生成物 / 基軸概念 / フロックチェーン技術 / AI創作物 / ブロックチェーン技術 / 機械学習 / 人工知能 / 立法論モデル / NFT
研究開始時の研究の概要

人工知能(AI)技術及びブロックチェーン技術(distributed ledger技術)における近時の急速な発展・普及が、特許法に様々な影響を及ぼしつつある状況の下、本研究では、「人工知能技術及びブロックチェーン技術の発展・普及による技術環境の変化に伴って、特許制度がイノヴェーション促進を中心とする役割機能を持続的に果たすため、法制度として、どのような適応的進化を図る必要があるのか」という学術的問いに対する研究を行い、特許法の基軸概念にいかなる影響・変容が生じうるのかに関する理論的考察、基軸概念の再構成可能性、将来的な特許法制全体の見直しを視野に入れた立法論モデルの提示・評価を主な目的とする。

研究実績の概要

本研究は、人工知能(AI)技術及びブロックチェーン技術(distributed ledger技術)における近時の急速な発展・普及が、特許法に様々な影響を及ぼしつつある状況の下、「人工知能技術及びブロックチェーン技術の発展・普及による技術環境の変化に伴って、特許制度がイノヴェーション促進を中心とする役割機能を持続的に果たすため、法制度として、どのような適応的進化を図る必要があるのか」という学術的問いに対する研究を行い、特許法の基軸概念にいかなる及ぼしうる影響・変容についての理論的考察、基軸概念の再構成可能性、将来的な特許法制 全体の見直しを視野に入れた立法論モデルの方向性を提示することを主な目的とする。具体的な当初目標としては、①近時の発展・普及が目覚ましい人工知能(AI)技術及びブロックチェーン技術(distributed ledger技術)によって特許法の基軸概念にもたらされうる影響・変容について、これらの技術の技術的特徴と発展・展開に係る分析検討を基に理論的考察を行うこと、②このような技術環境の変化に適応して、特許制度がイノヴェーション促進を中心とした役割機能を持続的に果たすためには、特許法の主要な基軸概念はどのように再構
成されることが適切であるのか、その方向性について示唆を得ること、③これらの成果を基礎に、現行特許法の解釈論による対応可能性に加えて、将来的な特許法制全体の見直しまでも視野に入れた立法論モデルの方向性を提示・評価することを目的とする。
本年度は、昨年度に続いて、人工知能(AI)のうち、近時急速な発展普及がみられる生成系AIをツールとして作出された生成物が技術情報である場合について、特許発明としての保護可能性、権利の帰属性、第三者による権利侵害の成立可能性といった事項を中心に研究を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究では、当初計画の研究事項としては、①人工知能(AI)技術・ブロックチェーン技術(distributed ledger技術)の技術的特徴及び将来的発展の動向について分析検討及び明確化、②特許法による保護の局面につき、これらの技術がもたらしうる特許法の基軸概念への影響・変容の比較法研究、③特許権付与手続の局面につき、人工知能 (AI)技術を活用した審査手続を前提とした場合に、関連する特許法上の基軸概念に及ぼされうる影響・変容と可能性についての分析検討、④特許権付与手続・ライセンス取引等へのブロックチェーン技術の導入を前提とした場合の影響についての分析検討、⑤以上の検討から得られた変容可能性に対して、解釈論の枠組みで対応しうる理論構成の検討、立法論モデルの提示・評価、といった事項を広汎に扱うことを想定していた。他方で、近時の技術発展の方向性として、昨年度後半から、上記②のうち、新たな技術形態として、生成AI(Generaive AI)の極めて急速な社会的実装・普及が世界的な規模で生じるに至り、知的財産法領域における研究・議論についても、生成AIを巡る法的課題に係る研究が国際的にも極めて活性化していることを踏まえて、本研究課題としても、これらの事項により大きく重点を置いて研究を行っており、本年度も一定の研究成果を得ている。このため、生成AIに係る研究については順調に進捗している反面で、とりわけ③や④についての研究・議論状況は国際的にも比較研究を深化させるほどのものはみられず、必然的にこれらの事項についての進捗は遅れている状況にあるものと評価せざるを得ないため、研究課題全体としての進捗は遅れているものと評価せざるを得ないであろう。

今後の研究の推進方策

現在の研究進捗状況でも述べたように、当初計画の研究事項のうち、人工知能(AI)技術に係る検討事項については、当初計画以上に生成AIにシフトした研究を順調に進めており、引き続き研究を進展させてゆくことで、最終年度である本年度には、一定の成果をまとめることを目指す。
他方で、当初研究事項のうち、③特許権付与手続の局面につき、人工知能 (AI)技術を活用した審査手続を前提とした場合に、関連する特許法上の基軸概念に及ぼされうる影響・変容と可能性についての分析検討、④特許権付与手続・ライセンス取引等へのブロックチェーン技術の導入を前提とした場合の影響についての分析検討、といった事項についての研究・議論状況は国際的にも未だ十分なものがみられないことから、進捗としては遅れ気味であることが避けられないが、本年度が最終年度となるため、これらの事項についての研究に十分な取り組みを行う方針である。もっとも、当初計画の比較研究という手法で進めることは困難であることが想定されることから、これらの研究事項については、比較研究以外の形式によって独創性のより強い形での分析検討を進めることについても検討計画を行う予定である。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] generative AIによる生成物をめぐる知的財産法の課題2023

    • 著者名/発表者名
      平嶋竜太
    • 雑誌名

      別冊L&T

      巻: 9 ページ: 61-75

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 「人工知能と人間-調和に向けた法の役割とは?」2023

    • 著者名/発表者名
      平嶋竜太
    • 学会等名
      2023 年度南山学会シンポジウム 「人間の尊厳と人工知能(AI)」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Google v. Oracle事件連邦最高裁判決におけるAPIの著作物性について2023

    • 著者名/発表者名
      平嶋竜太
    • 学会等名
      ソフトウエア情報センター権利保護委員会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 知的財産法における近時の国際的課題について2022

    • 著者名/発表者名
      平嶋竜太
    • 学会等名
      第18回 南山大学法学部・法科大学院-韓南大学校法学部学術交流会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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