研究課題/領域番号 |
20K01430
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05070:新領域法学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
今村 哲也 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任教授 (70398931)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 地理的表示 / 地域団体商標 / 育成者権 / 種苗法 / 地域ブランド / リスボン条約 / テロワール |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「地理的表示」の保護をめぐる法的課題について、①地理的表示法に内在する課題(内在的課題)、外在的課題として、②商標法その他の国内制度との交錯領域における法的課題(制度間分析)、及び③国際的な法規範との関係について検討を行い(比較法研究も含む)、地理的表示保護制度の体系的な理解を構築することを目的とした総合的研究である。この研究目的を達成するため、本研究では、①地理的表示保護の理論構築、要件論・手続論の検討、②他の国内法制度との制度間分析、③国際的動向と各国法の比較法研究を行う。
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研究実績の概要 |
地理的表示に関して2023年6月に神戸牛、万願寺甘とう、灘五郷等の視察ヒアリングを行い、地理的表示・地域ブランドの実体と法的規制の在り方についての有益な意見交換を行うことができた。さらに、7月には台湾を訪問して、台湾における育成者権の侵害事例に関して、現地の農家や種苗センターを訪問し、現地視察による調査を行った。 7月11日には東京大学で開催された国際学会のATRIP Congressにおいて、今村哲也は海外の共同研究者の許曉芬教授(成功大学・台湾)とともに「Balancing Intellectual Property Protection and Agricultural Innovation: Lessons from Japan and Taiwan's Policy Reforms」と題する報告を行い、日本と台湾における農業分野の知的財産保護と農業イノベーションの現状と課題について比較検討し、農業分野の知的財産権の運用に関する省庁間の縦割り行政の問題や権利保護とその利用のバランスの問題を抱えていること、また、日本では審議会制度の導入、台湾では植物品種保護法の見直しなどの対応が必要であると指摘した。 さらに、7月25日に、台湾知的財産権法学会・国立成功大学民事法律研究センターの主催によるセミナーにおいて、商標と地理的表示と日本の農業産品の保護の現状、日本の種苗法の改正状況について報告を行うととに、台湾における育成者権の侵害事例に関して、現地の農家や種苗センターを訪問し、現地視察を行った。 これらの成果について、2023年11月18日の日本知財学会の研究発表会で「品種登録と地理的表示(GI)を用いた地域ブランド展開と法的課題: 国内外事例に基づく考察」と題する口頭報告を行うとともに、12月20日に開催された第二東京弁護士会の知的財産権法研究会でも、研究報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、①地理的表示保護の理論構築、要件論・手続論の検討、②他の国内法制度との制度間分析、③国際的動向と各国法の比較法研究を行うことにしているが、この課題について概ね取りまとめた研究書の執筆が完成した。 この点では、研究は順調に進展していたが、コロナ禍の渡航制限などの影響もあり、当初予定していた海外調査や国内調査が思うように進まなかった部分もある。しかし、2023年度になりようやく、予定していた国外調査と国内調査の一部が実施できるようになった。ただ、国内での実地調査も思うように進められていないので、この点について、研究を進展させる必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、①地理的表示保護の理論構築、要件論・手続論の検討、②他の国内法制度との制度間分析は完了しつつある。そのため、③国際的動向と各国法の比較法研究を行うことを更に進めていくことを予定している。加えて、コロナ禍の渡航制限などがほぼ完全に解除されたので、2023年度に進めることができるようになった国内外での実地調査を可能な範囲で進めていくことを予定している。 各国法の比較法研究については、台湾の研究者との共同論文を、国際学会誌に投稿し掲載することを予定している。また、国際的動向については、研究成果の一部が専門誌に掲載することを予定している
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