研究課題/領域番号 |
20K01450
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
|
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
大澤 麦 東京都立大学, 法学政治学研究科, 教授 (30306378)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 共和主義 / ジャーナリズム / メディア史 / イギリス革命 / 新聞 / レヴェラーズ / ニーダム / 急進主義 / 共和制 / ミルトン / クロムウェル / 公共性 |
研究開始時の研究の概要 |
共和主義は今日の公共性の観念の中核を作った政治思想の潮流である。本研究はその近代における起点を革命期イングランドに求め、長い世襲王制の伝統をもつその国に共和主義が根づき機能するための諸条件を明らかにすることを目的とする。その方法として用いるのが、広報誌と呼ばれるニュース媒体の中に見出される共和主義の言説の分析である。広報誌は諸党派が政治情勢の変化に即して自派の主張を宣伝する定期刊行物であったため、共和主義の理念が実践の中でいかに機能したかを探るには最適の素材である。ジャーナリズムの機能に着目して共和主義の動態を解明せんとする本研究は、共和主義研究の豊かな発展の可能性を広げるであろう。
|
研究成果の概要 |
本研究の目的は、17世紀中葉の革命期イングランドにおいて発行された広報誌あるいはニュース誌と呼ばれる活字媒体を分析することにより、同時代における共和主義思想の特質と動態を明らかにすることにあった。研究の結果、従来基本的に異なる政治運動と考えられてきた1640年代のレヴェラーズに代表される急進派と1650年代の国王空位期に現れる共和派(コモンウェルス=メン)とが、共和国をめぐる構想において密接なつながりをもっていたことが明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は17世紀中葉の革命期イングランドの共和主義思想の研究であるが、古典的著作の読解という伝統的な方法ではなく、広報誌あるいはニュース誌と呼ばれた新しい形態のニュース媒体(今日の新聞の原型)の分析という手法をとったところに特色がある。この方法により刻一刻と変化する政治情勢のなかで共和主義の理念が実践のなかでいかに形成され、機能したかを探ることが可能になった。その結果、革命全体を貫く共和主義を含めた急進主義政治思想の流れを、かつてない明瞭さで把握することができた。
|