研究課題/領域番号 |
20K01451
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
手塚 洋輔 大阪公立大学, 大学院法学研究科, 教授 (60376671)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 行政組織 / 大部屋主義 / 専門家 / 審議会 / 配席図 / DX / 官僚制 |
研究開始時の研究の概要 |
日本官僚制の特徴のひとつとして「大部屋主義」が指摘されている。本研究では,所管課(大部屋)内部の空間配置の実態を改めて解明し,大部屋主義の射程を再定式化することを目的とする。 そのため,①従来の行政研究では用いられてこなかった,大部屋内部を表す配席図を新たに活用し,②その上で,各種の人事データや執務記録と突合することにより,実態に迫る。以上の成果によって,③行政研究における空間情報の扱いについて方法論的な確立を試み,データを共有するとともに,④大部屋主義の変容を踏まえた日本官僚制論の理論化と発信を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、日本官僚制の特徴として通説的な地位を占める「大部屋主義」について、これが提唱された時期とは行政組織を取り巻く状況が大きく変容していることに注目し、これまで等閑視されてきた、所管課(大部屋)内部の空間配置という観点から実態解明を行う。具体的には、毎年度作成されている配席図データと、各種の組織データや人事データと適宜組み合わせながら分析し、日本官僚制の意思決定に関する正確な理解に到達することを目的としている。 コロナ禍の影響により、これまでの研究計画を延長・変更して進めているところである。そのため、第4年度である2023年度は以下の4点について研究を進め,残る課題については研究期間を延長して対応することとした。第1に、前年度に引き続き,文部科学省のデータの追加及び厚生労働省の配席図データや人事データの収集を継続して行った。このうち厚生労働省については、統合した部局である、大臣官房、雇用均等・児童家庭局、政策統括官組織の変化を検討した成果を行政学関係の専門誌に公刊した(手塚洋輔「厚生労働省における省庁統合と執務空間の分析」)。その中でも文科・厚労両省の統合に向けた空間管理の手法が異なるため、そのことを中心に、第2に、日本行政学会における研究報告のための準備進めた(手塚洋輔「組織統合は大部屋をどう変えたか」として報告予定)。第3に、本研究課題に関連したものとして、前年度に日本公法学会にて研究報告を行った内容を踏まえて、専門家組織の空間的位置に注目した分析を当該学会誌について公刊した(手塚洋輔「危機対応における政治家・行政官・専門家 : 専門知の役割と限界」)。第4に、広く官僚制研究の文脈において、本研究課題で進めた執務環境研究の知見を活かし、日本公共政策学会にて討論者をつとめた(ブルシット・ジョブ、レッドテープあるいは監査社会化~『無駄な仕事』の研究)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまで、コロナ禍の影響により、東京での資料収集及びインタビュー調査の実施が困難であったことから、研究の順番等を一部入れ換えて進めていくこととしてきた。今年度の計画として、本研究課題の中核をなす配席図の研究については、とりまとめに向けて相当程度進めることができた。官僚制研究に位置付ける作業については、研究期間を延長することにより、学会報告を行うとともに最終的な取りまとめに尽力したい。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には研究計画に沿った形で、各種データの収集及び分析を進め、最終的な成果のとりまとめを行う。具体的には、学会報告を5月に行う予定なので、その成果の公表を論文として公刊していく。
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