研究課題/領域番号 |
20K01454
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
小山 俊樹 帝京大学, 文学部, 教授 (90454503)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 近代日本 / 機密費 / 内閣 / 政治 / 改革 / 行政 / 世論 / 公文書 / 外交 / 陸軍 / 警察 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、これまで事例的な検討にとどまっていた機密費研究を、制度面の視点から通史的に検証する。その際とくに、機密費制度はなぜ生まれたのか(制度の形成)、機密費制度の不透明性をめぐっていかなる議論が交わされ、どのような改革がなされたのか(制度の改革)、そして制度の改廃にあたって世論の反応がいかに影響したのか(世論の影響)の3点に着目する。以上の検討によって、日本における機密費制度の形成と監査運用体制の改革の政治的過程を、実証的な史料の分析にもとづいて明らかにしたい。
|
研究実績の概要 |
第二年次(令和三年度)は、研究計画に基づいた当該期世論の動向に関する調査を主として進めた。ただし新型コロナウィルス感染拡大の影響はいまだ残存し、公的資料機関での調査に際しては予定の調査を一部実施できなかった。そこで本年度はすでにデジタル化されている公文書などを中心とした資料収集と整理を実施したが、できるだけ早い段階で直接資料館での調査を実施したいと考えている。昨年度にも予定していた地方出張を伴う資料調査計画については一部を再開し、研究実施計画の第二項にあたる原敬・斎藤実などの首相経験者の旧蔵する資料群を対象とした補充調査を実施した。これに関連し2021年7月には、「西園寺公望文書」に含まれる内閣機密費の史料群について刊行(『近代機密費史料集成2』全三巻)を行い、内閣による機密費支出関係の歴史的原文書(領収書類、通帳類などを含む)をはじめて影印版として出版した。西園寺内閣は新聞社・通信社およびメディア関係者個人に対する機密費支出を記録しており、政府による世論への働きかけとの関係上から注目すべき事例が含まれる。また研究実施計画の第三項にあたる主要各新聞紙や雑誌の論調についての整理を行い、文書翻刻を中心とする収集資料の整理を進めるなどした。その他研究会報告などのほか、一般誌上に戦前機密費の運用に関する論文(「近代日本の謀略と機密費」)を公表した。陸軍機密費を原資とする各種謀略活動が戦時中に広く展開されていたことは周知だが、その歴史的推移や機密費統制システムとの関連などについては、あまり知られていなかった。本論文はこれらの点を中心に著述し、研究の成果還元につとめたものである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
資料収集活動の再開と調査の進展により、研究計画自体は順調に推移している。研究成果の公表に関する書籍化も実施した。ただし公的機関での調査はやや遅れ気味である。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度においては、研究成果の公表に向けた作業を進める必要性のもと、関連する各トピックごとに論点をまとめ、執筆活動などに充てる時間に重点を置きたい。
|