研究課題/領域番号 |
20K01467
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
馬場 香織 北海道大学, 公共政策学連携研究部, 准教授 (10725477)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | メキシコ / 比較政治 / 暴力 / 政党 / 女性の政治参画 / 犯罪政治 / クオータ制 / メキシコ政治 / 女性議員 / ジェンダー暴力 / 政党政治 / 組織犯罪 / 麻薬紛争 / ラテンアメリカ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、麻薬密輸をはじめとする組織犯罪が広く社会問題となっているメキシコに着目し、暴力が政党政治に与える影響を、政党システムの変容と、選挙における暴力の影響という観点から明らかにすることを目指す。政党システムの変容と暴力に関する研究では、世論調査データを使った全国レベルの定量的分析に加え、地方レベ ルの事例分析を通じて、実際に暴力をめぐる問題が有権者の政党支持の変容を促したメカニ ズムを探る。選挙と暴力に関する研究では、関連省庁の文献・資料や新聞などを利用したデ ータセットを構築し、選挙結果などへの影響を量的・質的に検討する。
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研究成果の概要 |
本研究の成果は、第1に、2018年のメキシコ大統領選の直前に行われた世論調査の結果をもとに分析を行い、組織犯罪暴力が政党支持のあり方に重要な影響を与えている可能性を示した。第2に、ベラクルス州の事例について、候補者や選挙関係者に対する暴力のデータをもとに分析を行い、ターゲットの党派的偏りと地理的偏りを確認し、当局からの庇護と一帯の地域にガバナンスを広げるための暴力が示唆されることを示した。第3に、女性議員の実質的代表を下院の法案データをもとに明らかにし、「女性に対するジェンダーに基づく政治的暴力」防止のための一連の法改正を事例に、実際の法案審議のプロセスにおける女性議員の役割を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
第1に、メキシコおよびラテンアメリカの政党システム研究における新しさと貢献がある。安定的な政党システムの変容に関して、暴力の与える影響に着目しつつ、近年の変化を体系的に分析した結果を示した。独裁国家を含め、選挙を行う国が大多数を占めるなか、暴力と政党政治に関する知見は社会的な意義も有する。第2に、女性の政治参画と暴力に関する研究として、実質的代表の観点から政治的ジェンダー暴力を防止する法改革を検証し、新たな知見を提示した。クオータ制と女性議員の増加の効果は社会的にも関心の大きいテーマであり、メキシコの事例分析から得られる示唆は大きい。
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