研究課題/領域番号 |
20K01474
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
近藤 正基 京都大学, 公共政策連携研究部, 教授 (80511998)
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研究分担者 |
安 周永 龍谷大学, 政策学部, 教授 (10612393)
渡辺 博明 龍谷大学, 法学部, 教授 (20308810)
城下 賢一 大阪医科薬科大学, 薬学部, 准教授 (70402948)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 中道左派政党 / 福祉国家 / 右翼ポピュリスト政党 / 社会運動 / 移民・難民政策 / 気候保護 / 労働組合 / 社会的投資 / 排外主義 / 外交・安全保障政策 / ポピュリズム |
研究開始時の研究の概要 |
近年、多くの先進民主主義国で中道左派政党は党勢の後退に直面している。ポスト工業化社会の到来によって中道左派政党が衰退を余儀なくされることはこれまでも指摘されてきたが、状況は各国一様とは言い難い。では、各国の中道左派政党の「劣勢」とみなされる現状は具体的にはどのようなものだろうか(現状)。どのようなプロセスをたどって現状へと至り(歴史的経緯)、その背景にはどのような要因があるのか(要因)。ヨーロッパ(ドイツ、スウェーデン)と東アジア(韓国、日本)の比較分析を通じて、「第三の道」以降の各国の中道左派政党の共通点と相違点を導き出し、その「劣勢」の内実を解明することが本研究の目的である。
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研究成果の概要 |
スウェーデン、ドイツ、韓国、日本の比較研究から、ヨーロッパおよび東アジアにおいて中道左派政党は劣勢に立たされていることが明らかになった。 ヨーロッパでは、中道左派政党は右翼ポピュリスト政党によって脅かされている。脅威に直面して、同党の主張を一部受け入れるケース(瑞)と、あくまでそれに対抗するケース(独)が観察された。 一方、東アジアでは、中道左派政党にとっての脅威はこれに対抗する左派政党である。社会運動と連携した左派政党によって左派陣営の脇役へと追いやられるケース(韓)と、政策決定過程に影響力を及ぼし得る、左派政党に類似する政党に主役を奪われるケース(日)が見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の研究では、ヨーロッパの中道左派政党のみが分析対象とされてきたが、本研究ではこれに東アジア(日韓)を加えて分析を行った。ヨーロッパおよび東アジアのどちらにおいても中道左派政党の劣勢は明らかである。ヨーロッパでは、右翼ポピュリスト政党が脅威であり、東アジアでは対抗する左派政党によって脅かされている。脅威に直面して各国で中道左派政党がとった戦略は異なっていたが、対抗政党から支持を引き剥がすためには、①移民・難民問題で厳格な姿勢をとる(対右翼ポピュリスト政党)、②社会運動との連携を通じて新しい争点を取り込む、の二つが考えられる。ただし、目立った路線変更を行わなかった中道左派政党も観察された。
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