研究課題/領域番号 |
20K01491
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 阪南大学 |
研究代表者 |
賀川 真理 阪南大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (10299018)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | クリスタルシティ抑留所 / カルメン・モチヅキさん / 家族名簿 / 抑留所における生活実態 / 戦後補償 / 日系ペルー人 / 随行繁房さん / 随行繁松さん / ウァウラ(Huaura) / 広島 / モチヅキ裁判 / 小山敦子さん / 内山宗一さん / 小山光昭さん / 強制連行 / 抑留所から日本へ / クリスタル・シティ抑留所 / ブランカ・カツラさん / 第二次世界大戦 / ツマン耕地 / チクライヨ市 / カリフォルニア州 / 日系ラテンアメリカ人 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、2014年に採択された科研費の課題研究で得られた人脈と史料を生かし、日系アメリカ人への強制収容及び戦後補償と比較して、今なおほぼ知られることのない、アメリカに拉致された日系ラテンアメリカ人の存在について、その発端から戦後補償に至る軌跡を可能な限り掘り起こし検証するものである。 その際、元収容者から譲り受けた史料や関係者名簿、一次史料による裏付けと、戦後補償の当事者や支援者、弁護士へのインタビューを実施する。 日米開戦により、1942年から最長で1947年までの間、アメリカに強制連行された一世と二世を合わせた2264名の、その後の人生を運命付けられた「忘れられぬ記憶」を記録として残す。
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研究実績の概要 |
2023年度には論文を2本仕上げる予定を立てていた。具体的には8月末日が投稿期日の学会誌に「第二次世界大戦中にアメリカ政府によって連行された日系人抑留者たち―『オルーク報告書』と『家族名簿』から読み解くテキサス州クリスタルシティ抑留所の生活実態」と題し、また10月初旬が期日であった所属機関の紀要に「第二次世界大戦中に強制連行された日系ペルー人―ペルー、アメリカ、日本で暮らしたカルメン・モチヅキさんのケース」と題し、査読論文として投稿を試みるべく準備を進めていたが、結果的にはいずれも時間切れで完成原稿の提出には至らなかった。 しかし、その過程で成果報告の発表に向けてさらに多くの史料に接しすでにベースとなる論文の枠組みは整えられたと考えられることから、今後さらに事実関係の検証とアメリカ史の中での本問題の位置づけ、今日の世界情勢に照らした教訓などについて熟慮を行った上で、2024年度にはこれらの投稿と掲載を目指している。 後者に関しては、関係者へのインタビューを2度行なったほか、当事者から資料を拝借し、より正確な史実関係の記述に努めている。またこれまでに出来上がった原稿に誤りがないかどうかを確認していただく作業も進めている。 これらに加え、第二次世界大戦中に主としてペルーなどからアメリカのテキサス州クリスタルシティ抑留所に連行された家族のうち、戦後日本に向かい、その後日本に定住されてこられた方々が、1998年の「モチヅキ訴訟」による和解勧告で、どのような手続きを踏んで短期間のうちに申請を行い、和解金を受け取るに至ったのかについて、当事者から拝借した資料を基に分析を進めている。 これらにより、アメリカで行われた日系アメリカ人への戦後補償に、当初はその多くが除外された日系ラテンアメリカ人(その大半は日系ペルー人)がどのように関わることができたのかを明らかにすることができると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は2020年4月より開始されたもので、当初の計画では、第二次世界大戦中にアメリカによって、居住していたラテンアメリカ諸国からアメリカに連行され、テキサス州のクリスタルシティ抑留所に抑留された日系ラテンアメリカ人である当事者と、その後の戦後補償に関わられた関係者とのインビューをもとに行う計画を立てていた。その際の当事者はアメリカ在住の方々で、新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、事実上、海外渡航が禁止されたことで、研究の初年度から約3年近く対象となる調査ができないままでいた。またその間に、当初アメリカでインタビューを予定していた二人の方が亡くなられた。 しかしその間にできることはないかと模索した結果、同様の境遇で日本におられる方々にインタビューをすることを考えたものの、国内における感染症も猛威を振るい、当事者に直接インタビューを行うことが難しかったことから研究に遅れが生じ、その後の研究がずれこんでしまったことが影響している。 今後は、現在までに得た情報や資料を基に研究時間を確保して、本年度は2本の論文執筆を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
第二次世界大戦当時、クリスタルシティ抑留所に抑留され、当時の記憶を持っておられる方々はすでに90歳前後の方々で、これ以上、インタビューの対象者を増やすことは難しいと考えている。 本件はアメリカ史の大きな出来事であるにもかかわらず、アメリカや日本でもまだほとんど知られていない。そのため、本課題研究についてこれまでにナショナル・アーカイブスにおける史料調査で確認した史実や新たにわかった事象を再度検証し、当事者に対するインタビューの成果などを踏まえ、1942年から今日に至るまでアメリカ政府によって一家の生活の自由を奪われて「人質」となり、アメリカ、日本、ペルーなどで暮らしてこられた日系ラテンアメリカ人の存在について、今日の世界情勢への教訓としても、明らかにしていきたいと考える。
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