研究課題/領域番号 |
20K01492
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
宗前 清貞 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (50325825)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 医療制度 / 医療政策 / EBM / 新型コロナウイルス / 医療供給体制 / 専門知 / 公共政策 / 福祉国家 / EBM / 歴史的制度論 |
研究開始時の研究の概要 |
根拠に基づく医療(EBM)とは、医療供給側に対して自身の医療行為の説明責任を果たさせる考え方である。それまで応用生物学としての医学は、裁量の余地が広く認められ、また医師の拒否権も大きく、医師の自律性を制約する制度変化はほとんど成功してこなかった。こんにち、EBMは医療の標準的な考え方となり、診療報酬や医療供給体制の基盤となっている。こうした大きな変化はなぜ、どのように生じたのか。そして今後はどのように変化していくのか。本研究はこうした問いに答え、現代医療制度の全体像を示そうとするものである。
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研究実績の概要 |
本研究の最も重要な情報源である厚生労働省医系技官(1991年入省後にしばらくEBM関連の制度設計に従事・現在局長級幹部職員)より複数回の聞き取りを行い、EBMが導入された当初、厚生労働省内部でどのように認知されていたか、また制度設計の方向性としてどのようなものを目指していたかを聞き取ることができた。EBM導入を巡っては、医療の標準化(医療安全)の観点が重視されたのか、それとも経済性(医療費適正化)が志向されたのかが争点になるが、制度導入当初は両方を追っていたことが判明した。
また夏には政治学者のうち医療制度を専門ないしサブフィールドとする研究者と合同研究会を実施した。とりわけ、医療ガイドラインに詳しい石垣千秋(都留文科大学)やフランスの医療保険制度に詳しい尾玉剛士(獨協大学外国語学部)の発表によって、本研究課題の結論につながる重要な複数の知見が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスまん延による外出制限等の制約は抑制されたため、研究会開催や学会出席、インタビュー実施等はかなり回復しているが、(1)インフォーマントが幹部職に就いたため研究協力の時間的余裕に大幅な制約が生じた(2)当時の状況を論証する新聞記事等がほとんど発見できていないことにより、延長年度での研究完成ができなかった。ただし、別プロジェクトに参加したことによって、本研究課題に資する情報が得られるなど遅れを回復する要素も生じている。また、再延長が認められたことで本年度中に研究を完成する見通しが立った。
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今後の研究の推進方策 |
当時の状況データに関しては業界紙等のバックナンバー(縮刷版)を入手するなどして論証に耐える情報を入手するよう心がける。また23年度の研究で得られた人脈等を駆使して、当時の状況を証言可能な人物に複数インタビューを行い、政治過程の詳細な再現に努める。
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