研究課題/領域番号 |
20K01494
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
新海 英史 中京大学, 国際学部, 講師 (00786080)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 北ヨーロッパ / 国境管理 / EU / 国家主権 / 北欧 / 脱欧州統合 / 移民難民 |
研究開始時の研究の概要 |
英国のEU離脱に見られるように、近年、欧州統合の推進力の勢いが確実に失われつつあり、加盟国側による主権再獲得を意図した離脱行動も散見される。かかる「脱欧州統合」時代における国境管理の実相を探るべく、本研究ではデンマーク及びスウェーデンの国境管理政策の動向調査を行う。その際、EUの司法内務理事会、欧州対外活動庁、欧州議会の動きを丹念に追いかけ、人の移動の自由を早くから実現していた北欧両国における情勢変化とその政治的背景を明らかにする。時代区分としては、リスボン条約が発効した2009年から2014年までの第一期間、2014年から2019年までの第二期間、2019年以降の第三期間を分析対象とする。
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研究実績の概要 |
2009年のリスボン条約以降のデンマークやスウェーデンといった北ヨーロッパ諸国における国境管理の状況や実相について、具体的に公開資料等を駆使して政策分析を行うこととしていたつもりであったが、コロナ禍により海外渡航が制限されてしまいそもそも困難となった。そして、その期間が予想外に長くなったために北欧各国やEUの公文書館への物理的なアクセスが相当困難になってしまった。さらに私自身が手術を伴う重病に罹患してしまい、その後、長期間にわたる休養を要する状況に追い込まれてしまったために、全く調査研究が出来なくなるという事態に陥ったことは予想外であった。ただし、2023年になってから、コロナ情勢の改善が認められ、私自身も長期療養を終えて久しぶりに職場復帰を果たしたことから、残りの期間を最大限活用して可能な限りの研究活動を行っていく所存である。具体的にはリスボン条約以降の国境管理に関するEU指令の流れを2015年の欧州難民危機までの時期、そしてコロナ禍が始まる2020年までの時期、コロナ禍という時期に区分けし、その間にどのような規制を行っていたのかという点を見ていくと同時に、同時期にデンマーク、スウェーエデン政府がどのような規制を導入していたのかを見ていくことで、EU側と加盟国側の国境管理を巡る対応や綱引きの状況というものが浮かび上がらせていきたい。そうすることで一見すれば形骸化したように見えるEU統合の実相というものが具体的に理解出来るようになるはずである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの発生によって、海外渡航が事実上不可能となった期間があったことや、大病を患ったことで長期間の休養が必要となったことから資料探しやインタビューの実施がしばらく困難となってしまっていたが、今後は研究の方向性を再検討し、可能な限りにおいて後れを挽回したい。
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今後の研究の推進方策 |
EUの政策資料、デンマークおよびスウェーデンの政府についてはコロナ禍で情報公開が比較的進んでおりオンラインで入手可能なものも少なくないため、可能な限り入手を行い、その範囲において資料分析を進めていくことで遅れを挽回していきたい。
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