研究課題/領域番号 |
20K01519
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
稲垣 文昭 秋田大学, 国際資源学研究科, 教授 (80468545)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | エネルギー安全保障 / 中央アジア / 電力 / 公共財 / クリーン・エネルギー / 国際公共財 / 地域協力 / ガバナンス / エネルギーガバナンス / コネクティビティ / エネルギー貧困 / 地政学 / エネルギー資源 / 覇権安定理論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、国際政治経済学の視点から中央アジアの国家横断的な電力インフラを事例に「エネルギー資源分配メカニズムの国際公共財化の可能性」を模索するものである。つまり、エネルギー資源を国家間の係争問題ではなく,各国が協力して最適な分配を行うメカニズムの可能性を探ることを目的としている。そのための事例として,旧ソ連中央アジアの電力網を取り上げる。同電力網は旧ソ連の国内インフラから独立国家同士が共同で管理する国際的なインフラへと変化した。つまり,国を横断して電力を適切に再分配するメカニズムを「国際公共財」と見なして,その可能性について検証することが本研究の目的である。
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研究実績の概要 |
対立から友好に転じたタジキスタン=ウズベキスタン関係を軸にエネルギー供給を巡る中央アジア諸国間の協力関係について,タジキスタンで2回(2023年9月と2023年11月)、ウズベキスタンで1回(2023年9月)の現地調査を実施した。とくにウズベキスタンの現地調査では,長らく閉鎖されていた陸路でタジキスタンから入国し,両国が積極的に交流をおこなっている実態を確認した。また,ウクライナ戦争で制裁下にあるロシア産のガソリンなど石油製品が中央アジアに安価に流れ込む一方で,タジキスタンなどユーラシア経済同盟非加盟国には一時的に輸出制限が欠けられるなど,エネルギー資源の供給がウクライナ戦争で不安定化するとともに,ロシアの役割を中央アジア諸国が担う動きも確認できた。なおタジキスタンとウズベキスタン関係が好転する一方で,タジキスタンとキルギス関係は国境問題を巡り対立的になっているが,キルギス領内でタジキスタン企業が資源開発を続けるなど,資源分野を巡っては必ずしも対立的ではないことも明らかになった。 研究成果としてまずは第16回グローバル・ガバナンス学会にて「ユーラシアのエネルギー地政学-中央アジアを中心とした旧ソ連諸国の動向-」と題して,中央アジア諸国が電力供給について,協調的関係に転じていることとくにアフガニスタン問題への対応として協調関係が作られつつあることを明らかにした。また,「未だ続く旧ソ連空間再編──資源地政学とエネルギー安全保障の視点から」と題し『三田評論』2024年2月号に論考を発表,旧ソ連空間ではソ連末期から地域秩序再編が続いていることをエネルギー問題を事例に明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究初年度にCOVID-19により海外渡航が制限されたことで生じた現地調査の遅れを完全に挽回することができなかった。とくに,研究成果を論文としてまとめることに遅れが生じた。最終的な研究成果については,2024年度にまとめることとしている。
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今後の研究の推進方策 |
調査自体は2023年度で終わっているので、2024年度は研究成果を纏め発表することに注力する。研究生kは国際学会もしくは査読付きジャーナルに投稿する。
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