研究課題/領域番号 |
20K01526
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 中央学院大学 |
研究代表者 |
川久保 文紀 中央学院大学, 法学部, 教授 (00545212)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 国境産業複合体 / 国境ガバナンス / ボーダースタディーズ / 米墨国境地域 / 国境管理 / 移民勾留 / 国境の壁 / アメリカ / 生政治国境 / 国境政策 / 壁の帝国 / 北米国境 / 国境政治 / 境界研究 / 境界研究(ボーダースタディーズ) / ガバナンス / 国境の軍事化と民営化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、国境を含めた境界の重層的理解や機能的性質を考察する境界研究(ボーダースタディーズ)を方法として、現代の国境の壁を特徴づける軍事化と民営化の結合関係から生み出された「国境産業複合体」が国境の空間的変容をもたらしている実態を明らかにし、それが米墨国境地域にどのような影響を及ぼしているのかを検証していく。
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研究成果の概要 |
本研究では、米墨国境地域を事例として、いわゆる「トランプの壁」の建設が開始されて以降注目されてきた国境産業複合体の構造と実態を明らかにした。連邦政府、連邦議会、国境セキュリティ産業、大学などの研究組織が一体化し、利益誘導型の国境政治が形成されるプロセスは、ラインとしての国境がゾーンとしての国境に変貌していく様相の解明につながった。こうした状況において、国境の壁の建設が、米墨国境地域の環境破壊や先住民族の居住空間に悪影響を及ぼしてきた事実も明らかになった。国境を長大化することが不法移民の流入の阻止につながるという政治家や官僚の主張は、ポピュリズムの典型であり、国境を舞台とした劇場型政治である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、米墨国境地域を事例として、国境の壁の建設が人々の生活空間にどのような影響を及ぼしてきたのかを明らかにした。こうした事象は米国やメキシコばかりではなく、グローバルに展開されており、とくに人の自由な移動を標榜する民主主義諸国において国境の壁の建設が推進されている背景に対する分析にもつながっていく。このことは、国境の壁の建設をめぐる政治体制の比較と相関という新しい研究テーマの掘り起こしにつながるものである。
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