研究課題/領域番号 |
20K01531
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
大島 美穂 津田塾大学, 総合政策学部, 教授 (20203771)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ナショナリズム / 国際協調 / 北極圏 / グリーンランド / ノルウェー / デンマーク / 極地帝国主義 / 戦間期 / 欧州国際秩序 / ノルウェー北部 / 北極 / 国際政治秩序 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、戦間期ノルウェーにおける極地領土獲得運動の検討を通して、その国家形成と国家意識の関係を国内外の動向との関連で考察し、1920~30年代の欧州の中の国家と領土の関係について一つのモデルを抽出する。欧州の地域統合史には、国家をめぐる両極端の動きが存在し、EUに繋がる西欧諸国のヨーロッパ主義がある一方、新興国家に存在した膨張主義的な地域構想があった。しかし、1905年に独立したノルウェーでは「極地帝国主義」とも言われるナショナリズム運動が盛り上がりを見せるものの、最終的に新設の国際連盟の動向に沿う形で近隣諸国との友好関係を維持し、欧州国際政治秩序の形成に貢献したという点で特異的であった。
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研究実績の概要 |
昨年は家族に高齢者並びに重篤な病気の罹患者を抱え、コロナ禍での研究対象国への渡航が難しかった。そのため実質的に入手済みの文献、並びにオンライン資料を読み解くだけで終わってしまい、十分な研究実績を上げることができなかった。 しかしながら、ノルウェー本国においても、ナショナリズムや「帝国主義研究」は深められており、特にウクライナ戦争が勃発する中で、改めて北欧におけるナショナリズムへの関心も生じ、加えて、特に北極圏での活動や20世紀初頭の紛争の仲介制度、デンマークとの領土問題などへの研究も行われている。さらにドイツやロシアを含んだヨーロッパの東側諸国においては、20世紀初頭のナショナリズムへの関心が高まる一方で、地域概念、ナショナルなまとまりへの再検討と同時に、国際秩序の形成、特に国際連盟創設に至るまでの時期における仲裁裁判や国際仲裁機関の設置の動きにも焦点を当てる研究が進められてきた。 本研究はそうした先行研究を踏まえ、幅広く歴史の実態として、あるいは理念としてヨーロッパのナショナリズムと国際協調の相剋を捉え、今後の研究の進展に活かすための雌伏の時期とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
前述したように、コロナ禍において、家族に重篤な病気の罹患者を抱え、渡航して資料収集、調査をすることが難しかった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は渡航して歴史文献資料の収集に努め、それを元にこれまでの先行研究を土台に、ノルウェーのナショナリズムと国際協調の北極圏をめぐる相剋について、分析を深めて研究の発表にこぎつけたい。
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