研究課題/領域番号 |
20K01547
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
清水 崇 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (80323468)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 組織の経済学 / 戦略的情報伝達 / 組織の同質性 / 発言 / 退出 / モラル・ハザード |
研究開始時の研究の概要 |
現場で発生した問題や最前線で感じる将来の問題につながる予兆を組織の上層部に伝達することは組織を維持する上で重要である。その重要性にもかかわらず、多くの従業員はこうした「発言」行為に躊躇しているのが現状である。本研究では組織内における「発言」を現実の従業員が感じている困難性やコストを伴った形でモデル化し、そのメカニズムを明らかにする。そして、そのモデルを土台に、古典的な問題である「発言」と「退出」の関係性を理論的に整理しつつ、その他、どのような組織的意匠・装置が組織内の「発言」を促進するかについて理論的に明らかにする。
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研究実績の概要 |
論文"On the Combination of Biased Members"を国際学会や国内の研究会で報告し、そこで得たフィードバックを基に論文を改訂した。この論文では部下の「発言」を引き出すための最適な部下の組み合わせについて分析した。より具体的には、各部下は組織の行動を組織全体の最適な水準から乖離させるバイアスを持つ状況を想定する。さらに各部下のバイアスの方向性は皆が知っているが、具体的なバイアスの大きさは各部下の指摘情報であるとする。このとき、異なったバイアスの方向性を持つ部下を組み合わせる異質的な組織よりも、全員が同じ方向のバイアスを持つ同質的な組織の方が、より効率的な「発言」を引き出すことが可能であることを示した。これは、同質的な組織では、自分の誤情報が他の同僚の誤情報により増幅され組織全体を重大な危機に陥れる可能性を恐れ、それぞれの部下が適切な「発言」を行うよう規律付けられることに起因している。主な改訂点は、論文全体の構成を変えたことである。
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