研究課題/領域番号 |
20K01567
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 二松學舍大學 |
研究代表者 |
岩田 幸訓 二松學舍大學, 国際政治経済学部, 教授 (10558050)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 行動厚生経済学 / 道徳的意思決定 / 帰結主義 / 義務論 / 道徳的ジレンマ / 二重過程理論 / 意思決定理論 / 道徳的ヒューリスティクス / 限定合理性 / 応用倫理学 |
研究開始時の研究の概要 |
厚生経済学における意思決定者の道徳的判断を公理化する研究は、あらかじめ存在する道徳的直観を正当化・組織化しているだけという問題を指摘されている。これに対して、本研究は人々の実際の選択や判断に基づいて、ある行為や政策の善悪に関わる規範的問いを解決することを目的とする行動厚生経済学のアプローチを採用する。本研究は、道徳的対立のある意思決定状況において、(1) 選択のパラドックスが生じている意思決定者の選択機会を評価する問題と、(2) トロッコのジレンマを含む首尾一貫しない意思決定者の道徳的判断を記述する問題を解決する。
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研究成果の概要 |
選択肢が豊富であることがかえって選択の満足度を下げるという現象である選択のパラドックスの下で、選択機会を行為帰結主義的に評価する方法を提案した。また、暴走列車が5人を轢き殺すのを阻止するために、別の1人を犠牲にしてよいかを問う思考実験であるトロッコ問題において、ジョシュア・グリーンが提唱する人間の道徳的判断に関する「モジュール近視仮説」を経済学的に定式化し、この仮説を検証することができる条件を特定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を応用することによって、医療に関わる患者や医師の意思決定プロセスが理解できれば、医療現場の意思決定や医療ルールの設計を支援することができる。具体的には、医療現場の治療法の選択問題において、選択肢が複雑な上に豊富すぎて、患者は適切な治療法を選択できない場合における規範的提言をすることができる。また、医師の医療行為において、患者の苦痛を除くために延命治療を中止する行為と、患者の生命を終わらせるために薬物を投与する行為における医師の道徳的判断の違いをもたらす(医師の意図といった)要因を規範的に評価することで、どのように医療ルールを設計すべきかという問題を解明することができる。
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