研究課題/領域番号 |
20K01571
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07020:経済学説および経済思想関連
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研究機関 | 松山大学 (2022) 北海道教育大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
松本 哲人 松山大学, 経済学部, 准教授 (70735828)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ジョセフ・プリーストリー / トマス・ベルシャム / 啓蒙 / プリーストリー / 自由 / 教育 / 宗教 / Joseph Priestley / Thomas Belsham / 18世紀後期イングランド啓蒙 / 科学と宗教 |
研究開始時の研究の概要 |
啓蒙思想は科学を宗教から分離する「脱宗教化」の過程として捉えられてきたが18世紀後期イングランドにおける啓蒙は、科学と宗教をいかに調和させるかが問題であった。本研究は18世紀後期イングランド啓蒙思想の主要な担い手であった非国教徒のうち、ユニタリアンであるジョセフ・プリーストリー(Joseph Priestley, 1733-1804)とトマス・ベルシャム(Thomas Belsham, 1750-1829)に着目し、科学と宗教の調和問題を焦点とし、彼らの社会思想を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2022年度は、ジョセフ・プリーストリーを中心とした18世紀後期商業社会認識に関する研究を実施した。特に18世紀初期の国教会の重鎮であったジョセフ・バトラーならびに18世紀後期の国教会の重鎮であったウィリアム・ペイリーとの関連に焦点を当てた。ペイリーはバトラー同様、イングランド国教会の重鎮として商業社会をいかに国教会の原理と結びつけ正当化するかに苦心した。彼が選んだ最終的な決断は「妥協」であった。他方、プリーストリーは国教徒に属さない非国教徒(ユニテリアン)として国家の庇護下になかった。それゆえ、彼らの生活を守るために積極的に商業社会を受け入れ、その中で生きていく必要があった。そのためにプリーストリーは商業社会と彼らの宗教的信念を両立させる必要があった。プリーストリーにとって商業社会の正当化は彼らの「現実」を追認するために必要なことであった。このような観点から書かれた原稿を2022年度に公刊を果たすことはできなかったが2023年度内の公刊を目指す。また、プリーストリーならびにトマス・ベルシャムに関してすでに公刊されている著作等を中心に研究を実施した。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受けて、本来、実施予定であった未公刊の資料の調査等を2022年度も実施することができなかった。 18世紀後半イングランドにおける教育の重要性やその宗教的要素等を明らかにすることができ、啓蒙と宗教や宗教と経済学の関係性を少しずつ明らかとすることができているように思われるので2023年度は2022年度同様、研究課題とすることとしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受けて、本来、実施予定であった未公刊の資料の調査等を実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
さしあたり公刊された著作に集中し、分析することとしたいが社会状況の変化等に応じて文献調査等を実施できるよう機動的に研究することとしたい。
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