研究課題/領域番号 |
20K01575
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07020:経済学説および経済思想関連
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
御崎 加代子 滋賀大学, 経済学系, 教授 (90242362)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ワルラス / 一般均衡 / 企業者 / 利潤 / リスク / 不確実性 / アントレプレナーシップ / 一般均衡理論 / 経済学史 / イノベーション |
研究開始時の研究の概要 |
レオン・ワルラス(1834-1910)が構築した一般均衡理論は、現代経済学の出発点として今なお大きな影響を及ぼし続けているが、現代理論の見地からすると、ワルラスの一般均衡理論はリスクや不確実性を分析できない未熟な理論である。しかしながら、その形成過程と歴史的背景に注目すると、ワルラスが理論的未熟さゆえに、これらの概念を捨象したとは考えられない。本研究の目的は、ワルラスが現実経済におけるリスク、不確実性、企業者をどのように考察していたのか、またその考察は、ワルラス・モデルとどのような関係にあるのか、その思想的、社会哲学的意義も含めて歴史的に解明することである。
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研究成果の概要 |
ワルラスが構築した一般均衡理論は、現在もなお大きな影響を及ぼし続けている。しかしながらその理論は、発表当時から、時間の不在、企業者利潤ゼロの仮定など、多くの非現実的要素が批判され、それをより現実的な実証モデルに修正発展させることが、20世紀の理論経済学者たちの課題であった。本研究は、現代理論の見地からではなく、ワルラスの経済学形成過程とその歴史的背景に経済学史のアプローチで取り組み、ワルラスが現実経済におけるリスク、不確実性、企業者をどのように考察していたのかを明らかにし、その考察が、 ワルラスの純粋経済学(一般均衡理論)とどのような関係にあるのか、その思想的、社会哲学的意義も含めて解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の研究成果の意義は、これまであまり知られていなかったワルラスの思想を明らかにしたことにある。しかしそれだけにはとどまらず、現代の経済理論においても鍵概念となる「リスク、不確実性、企業者」に焦点を当て、ワルラス研究の分野横断的な研究の出発点となるものである。経済学史研究者たちによるワルラス研究と、理論経済学者たちのワルラス研究はこれまで大きく分断されてきた。前者の研究はこれまであまりにも専門的、個別的であり、ワルラスのもともとの理論とはかけ離れたワルラシアン・エコノミクスを論じる理論経済学者とは全く対話の糸口が見いだせていなかったからである。
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