研究課題/領域番号 |
20K01582
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07020:経済学説および経済思想関連
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
中野 聡子 明治学院大学, 経済学部, 教授 (20245624)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | Edgeworth / contract / field / competition / physics / Edgeworth box diagram / indeterminacy / core / エッジワースボックス / エッジワース / エッジワースの極限定理 / ジェヴォンズ / 場の理論 / 競争概念 / 数理心理学 / 制度設計 / 契約モデル / 包絡線 / 外部性 / 寡占市場 / 価格サイクル / 契約の不決定性 / エッジワースサイクル / 不確実性 / ゲーム理論 / 戦争論 / 限界革命 / ミクロ経済学 / 不決定性問題 |
研究開始時の研究の概要 |
経済学においてエッジワースの名が先行研究として指摘されるものは数多くある。エッジワースボックスダイアグラムやエッジワースの極限定理、エッジワース・サイクル、などである。これらは、エッジワースの間接的な影響が研究の裾野を広げた結果であるが、分析視点を全体としてどう評価するかという問題に対して、これまでの学説史研究はあまり統一的な視点を提供していない。そのためゲーム理論等を軸とした現代経済学の進展の思想的理解が深められていない。そこで、本研究はエッジワースの契約モデルの特徴を資料的・理論的に精査し、彼の政策的、規範的、並びに方法論的含意の全体像の解明につなげようとするものである。
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研究実績の概要 |
「エッジワースの契約モデルの現代的意義」を検討してきた。エッジワースのオリジナルな競争概念「競争の場」(the field of competition) は、これまでほとんど注目されてこなかったが、その重要性を物理学の「場の理論」のアナロジーとして特徴づけることができた。その内容を以下の論文にまとめ、国際学会で発表。Nakano, S. (2024) “Why didn't Edgeworth draw the Edgeworth Box?; ‘The field of competition’ conceived by Edgeworth as an analogy of ‘Field’ in physics”をヨーロッパの経済思想史学会(European Society for the History for Economic Thought, University of Graz, Austria)で、5月9日に発表する。これまで完全競争と不完全競争の概念が19世紀から20世紀のミクロ経済学の形成期に構築されてきたが、第3のアプローチの可能性を、経済学の歴史から示唆することができる。今後、海外の専門誌に投稿予定。F.Y.Edgeworth (1881) Mathematical Psychics の翻訳をほぼ行った。 (3)新生社から出版予定の『経済思想』の経済学の考え方に依拠した新しいタイプの思想史の教科書の執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「競争の場」(the field of competition) の概念の重要性を特徴づける論文ができ、国際学会で発表することができること。 翻訳作業が進展したこと。これらが成果としてあがってきたから。
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今後の研究の推進方策 |
Nakano, S. (2024) “Why didn't Edgeworth draw the Edgeworth Box?; ‘The field of competition’ conceived by Edgeworth as an analogy of ‘Field’ in physics”を国際誌に投稿する予定。またMathematical Psychics の翻訳作業を完了し、解題の執筆を始める。また、ジェヴォンズ、マーシャルおよび20世紀初頭の不完全競争理論の展開とエッジワースの論文、書評との関係を明確にする論文を、テーマごとに取り組む予定である。
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